- ドクトル・ホリコン 堀内智彦
- 株式会社グリップス 企業ドクター
- 東京都
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
会社の病気を治すホリコンです。
「問題」
工業用機械を単品受注・生産しているM社では原価計算制度を導入しています。このところ受注が落ち込んでおり、工場の稼動率にばらつきがあり、全体的には稼動率が低下しています。
そんなあるときに、営業担当者が同業者からある製品の主要部品甲(単品)について、外注依頼(下請生産)を受けられるか工場長に打診してきました。
しかし、工場長は、技術的・納期的には対応できるが、赤字になりそうだからと断りを入れてきました。
工場長が実施した積算結果は以下のようです。
M社が積算した部品甲の原価・利益計算(単位:円)
項目
金額
摘要
受注(売上)
100,000
営業が打診された相手方(同業者)の予算
材料・部品費
50,000
当社で調達する変動費合計
社内加工費
60,000
@6,000円(賃率)×10h(工数)
利益
△10,000
赤字になる?
営業担当者は少しでも受注を増やそうと、頭を下げてせっかくもらえた引き合いを、工場で断られてがっかりです。
この工場長の判断は正しいのでしょうか?
「考え方」
この事例は、稼動率が落ち込んでおり、技術的・納期的に対応可能であるが、社内の原価計算において赤字になる見込みなので受けるべきではない?という受注選択の考え方です。
この積算を見ると、材料・部品はこれから調達する費用なので、明らかに5万円の支払いが今後発生します。
ここで、もうひとつの原価である“社内加工費”という原価項目ですが、これは社内加工するときの計算根拠です。しかし、現在は社内の稼動率が低いので、実際にこの時間(10h)をこの生産のために消費しても、他の仕事に支障がなく、残業でもしないかぎり、所定内の時間で生産可能であれば、それは固定費の範囲内なので、実際には余分な支払いが発生しません。
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