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対象:心と体の不調

茅野 分
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月26日更新

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現代の食にひそむ危険性・少しでも健康的に食べるには!?(4)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・ところが食事の近代化は、人間の健康面に少なからぬ影響をもたらしました。カロリーの多量摂取、なかでも砂糖など炭水化物をふんだんに用いた食品の摂取によって「肥満」が一般的な傾向となり、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの慢性疾患が多発するようになりました。それに加え、肉の多食によって飽和脂肪酸が過剰となり、心筋梗塞など心血管系の重大な病気が増える一因となりました。そのように豊かな食卓と引き換えに、近代人は生活習慣病に悩まされるようになったのです。

 

そのように砂糖や肉に代表される近代的な食品の普及が、糖尿病や肥満などの文明病を蔓延させる結果にもなってしまいましたが、このような健康上の変化には地域差がありました。世界にはいくつかの「長寿地域」がありますが、同じ欧州でもギリシャや南イタリアなどの地中海地方には肥満や糖尿病、心臓病などの生活習慣病が少なく、同地域の食事が「地中海料理」として研究の対象となりました。豊富な魚介類と野菜や果物、それにたっぷりのオリーブ油などがその秘訣とされたのです。

 

またアジアで最も早く近代化した我が日本は古くから長寿の傾向があり、戦後長い間にわたり世界一の平均寿命を誇りましたが、日本人の食事である「和食」がその一因であると世界中の研究者が称賛しました。特に沖縄はそれが顕著で、野菜や果物、海藻、魚介類をたっぷり摂り、脂肪分やカロリーの低いことが健康や長寿につながっているとされたのです。但し同じ和食でも現代の食事ではなく、「元禄時代以前の日本人の食事」と但し書きがついていることには注意しなければなりません。

 

欧米先進国の中でも特に肥満や心臓病など生活習慣病の多発していた米国では、20世紀半ばになると「健康ブーム」が沸き起こり、禁煙運動とともに食生活の改善の取り組みが始まりました。象徴的なのが1977年に上院で提出された「マクガバン・レポート」で、米国人の不健康な状態は肉に含まれる飽和脂肪酸の多量摂取が原因で、これを減らしてヘルシーな食生活にしなければならない、と説かれました。これには賛否両論がありましたが、これを契機に「低脂肪」ブームが発生しました。

 

米国では食品業界がこぞって「低脂肪」「低カロリー」を謳った商品を開発し販売しました。動物由来の飽和脂肪酸が良くないとすれば、植物由来の不飽和脂肪酸ならば大丈夫だろう、という訳です。実際に不飽和脂肪酸によって血中コレステロールが低下した、などという研究結果も発表されました。そのような科学的な解釈を背景として「植物油」がたいへんなブームとなったのです。大豆やトウモロコシなどから化学的に油を多量に絞り、安い価格で店頭に販売されました。

 

もともと日本やアジアで多食されていた大豆はヘルシーな性質のある食材です。日本では味噌や豆腐、納豆の原料としてお馴染みです。低カロリーの上に良質なタンパク質に恵まれ、イソフラボンという含有成分は女性ホルモン類似の作用を示して更年期障害の緩和に役立つなど数々の利点があります。またガンの発症を抑制する成分も証明されており、肉食によるメタボリック症候群やガン発症への懸念を払拭したい向きには、大豆がたいへん魅力的な食材に映ったものです・・(続く)

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