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対象:心と体の不調

茅野 分
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(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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うつ病をブッとばせ!セルフ&ラインで育む会社の心の健康(2)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・それでは企業に於いて心の健康問題が多発している原因としては、どのようなことが考えられるのでしょうか。心の不調を未然に防ぐ、あるいは軽微なうちに対策を講ずるための鍵となる要素の一つが「ストレス」です。往々にしてストレスは諸悪の根源、万病の基のように言われていますが、そもそもストレスとは何でしょうか。

よく怖い上司や残業などがストレスだ、などと表現されますが、これらは「ストレス源(ストレッサー)」であり、それを受けた人間の心理的な反応のことを「ストレス(ストレス反応)」というのです。従って同じストレス源に晒されても、人によって反応に差が生じます。

 

例えば雨が降った場合、ある人は「ああ、うっとうしくてイヤだなあ」と嘆き、またある人は「ちょうど恵みの雨だ。今日は読書しよう」と気を取り直します。雨が降るというストレス源は同じでも、それに対する反応は人それぞれです。

職場でも、怖い上司にガミガミ怒られて「俺はダメだ・・」と落ち込む部下がいるかと思えば、逆に「今に見ていろ!」と闘志を燃やす部下もいます。

世の中も職場もストレス源は数えきれないほどありますが、それに対する反応は個人次第、ということができるのです。

 

そのようにストレスは必ずしも悪い物、という訳ではありません。ストレスがなければ幸せかというと、決してそうではなく、会社が変化し成長している時には、必ず何らかのストレスがかかります。

仮にストレスが全くないとしたら、それは会社や社員に全く変化も成長もない、いわば眠ったような状態ということができます。そのような状態が会社や社員にとって、幸せな良い状態とは言えません。要はストレスとどう付き合い、どう制御していくかにかかっているのです。

 

そのようなストレスが心身に悪影響を与えるのは、どのようなメカニズムによるのでしょうか。ここでキーワードの一つとなるものが「セロトニン」という脳内の神経伝達物質です。

セロトニンは脳幹の縫線核という部分から分泌され、前頭葉の前頭前野などに作用し、主として神経活動の「安定性」や「意欲」、「共感」という要素に関わっています。セロトニンが不足すると神経の安定性が損なわれ、また意欲が低下し、うつ病やパニック障害を引き起こすことが知られています。

 

ちなみに神経伝達物質には多くのものがありますが、代表的なものとしては「学習」や「快楽」に関係するドーパミン、「闘争」や「緊張」に関係するノルアドレナリンなどが挙げられます。

これらの伝達物質のバランスよい活動が心の健全性を保つ上で重要ですが、特にセロトニン分泌と前頭前野の活動を維持することが重要とされています。

 

人間が強い肉体的または心理的ストレスを継続的に受けた場合、人体にはどのような変化が生じるのでしょうか。ストレスは脳内の視床下部を障害し、その影響で縫線核からのドーパミン分泌を低下させます。その結果、神経の安定性と意欲が損なわれ、うつ病やパニック障害などが現れやすくなります。

その一方でストレスは下垂体・副腎系を刺激し、ストレスホルモンといわれる副腎皮質ホルモンの分泌を促進し、その結果、胃潰瘍や高血圧、糖尿病などの発症や増悪を招きます。ストレスで胃潰瘍になった、血圧が上がった、などとよく言われますが、それはこの副腎皮質ホルモンのしわざです。

 

我々はとかく身体の病気と心の病気を分けて考えがちで、病院へ行った場合でも、身体の病気は内科、心の病気は精神科、などと振り分けられます。

ところが強いストレスを受け続けた結果、身体も心も影響を受けて、そろって病気になることがあります。病気の分類でも、心理的ストレスが原因の身体の病気は「心身症」と呼ばれます。まさに心と体は一体、といえるのです・・(続く)

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