旬の野菜でベジフルビューティーpart4 にんじん - 料理教室 - 専門家プロファイル

廣瀬 ちえ
CHIE'S KITCHEN 代表
愛知県
料理講師

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閲覧数順 2024年04月25日更新

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旬の野菜でベジフルビューティーpart4 にんじん

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旬の野菜でベジフルビューティーpart4 にんじん

 

一年中店頭で見かける、定番野菜のにんじん。中でも2月の露地栽培物と、5月から6月くらいに出回る新にんじんが旬で、おいしく食べることができます。

 

●にんじんの歴史

にんじんの原産地はアフガニスタン。今でもアフガニスタンには紫色や黄色など、様々な色や種類のニンジンがあるそうです。 12世紀に中国とヨーロッパに伝えられ、その後中国とオランダで改良され、アジア系の大長人参とヨーロッパ系の西洋人参ができました。日本には1600年前後に中国系の商人から伝えられたと言われています。

 

●種類について

主に、アジア型とヨーロッパ型に大別されます。

 

<アジア型>

根が長く肉質が緻密で柔らかいのが特徴です。赤みが強いのはリコピン成分によるもの。カロチンをあまり含まないためにんじん臭が少なく、風味が良いです。調理では、煮物やなますに向いています。

アジア型のにんじんは良質ですが、栽培しにくいという欠点があります。昭和30年代以降はヨーロッパ型のにんじんが主流になっています。

・金時人参

アジア型にんじんの唯一の実用栽培品種です。鮮やかな濃紅色で、長さ30cm・太さ6~7cm程度。甘みが強くにんじん臭は少な目、肉質は柔らかいが煮くずれしにくい品種です。若葉は柔らかく風味があり、「葉にんじん」としておひたしやごまあえなどで食べられます。11月~3月頃に多く出回りますが、収穫量が少なく、とう立ちが早いのが欠点です。

・琉球人参

沖縄特産で、暑さに強く、黄色に近い色が特徴です。甘みがあり、煮物や炒め物に利用されます。

 

<ヨーロッパ型>

現在多く出回っている品種です。主に橙色で、甘み・カロチンが豊富。夏から秋にかけて収穫する寒冷地型と、晩秋から冬にかけて収穫する暖地型があり、さらにトンネル栽培により晩冬から春への収穫が可能となったことで、一年中の栽培供給が確立されました。

・五寸人参

現在最も出回っているにんじんです。くせが少なく甘みが強いのが特徴。冬には葉つきの露地栽培ものが、春には新にんじんが出回ります。

・ベビーキャロット

長さ7~10cm前後の小型にんじんで、主にサラダ用に生食されます。ヨーロッパではフォーシング型と呼ばれ、温床栽培されています

 

●  栄養について

 

<カロチン>

にんじんは、カロチンを大量に含む、「緑黄色野菜の王様」とも言うべき野菜。英語のcarot(キャロット)の語源は、このカロチンに由来します。中でもβカロチンが豊富で、抗酸化作用を発揮し活性酸素による害を防ぎます。また、体内で必要な量のビタミンAに変わることができ、皮膚や粘膜を健康に保つ働きもあります。αカロチンも豊富で、がん予防効果が期待されています。

 

<ビタミンA>

眼の角膜を正常に保つはたらきがあります。眼精疲労や角膜の乾燥などを予防し、疲れ目に効果があります。また、皮膚・喉・気管支・肺などの上皮組織を正常に保つ効果があります。肌にうるおいを与え、美肌効果も高いです。

 

<鉄分>

造血作用が期待できます。血行を良くし、貧血や冷え性などに効果があります。

 

<食物繊維(ペクチン)>

食物繊維の整腸作用で便通が改善され、大腸がんの予防効果があります。にんじんに含まれる食物繊維はペクチンで水に溶けやすいため、スープやシチューとして調理する場合は汁まで残さず飲みましょう。

 

●にんじんの選び方

色が濃く鮮やかなもの(赤みが強いものはカロチンが豊富)、表面がツルンとしてハリがあり滑らかなもの、ひげ根が少ないもの、太めで先端が丸くつまっているものを選びましょう。反対に首の部分が青く黒ずんでいるものは、甘みに欠けるので避けましょう。

 

●保存方法

にんじんは乾燥に弱い野菜です。泥を落としたら水分を良く拭き、新聞紙に包んだらポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。冬場は常温で1~2週間の保存が可能です。また、土に埋めると春まで持たせることができます。1本を1回で使い切れないときは、先の方から使用し、残りは水分を取り除いてからポリ袋に入れ、冷蔵庫で保存すると良いでしょう。

 

●  調理法

 

<油と合わせてカロチン摂取>

カロチンは油に溶ける脂溶性ビタミンです。油と一緒に摂ることでビタミンAとしての吸収率がより高くなります。天ぷら・きんぴら・炒め物などにすると良いでしょう。

 

<皮ごと食べる>

外側の皮近くに栄養を多く含むため、皮は向かずに使うか、ごく薄めに剥きましょう。残った皮はきんぴらやかき揚げなどに利用できます。

 

<栄養豊富なにんじん葉>

葉は根の2倍以上のビタミンAをはじめ、タンパク質・カルシウム・脂質・鉄分・ビタミンCなどの栄養価が豊富です。店頭に出回ることは少ないですが、入手できたときには捨てずに食べましょう。刻んでしょうゆ煮・妙め物・揚げ物が良いでしょう。また柔らかい若葉は、さっと茹でておひたしにしてもおいしいです。

 

●  おすすめレシピ「まるごと食べよう! にんじんフライ」

にんじんの甘みを味わえる一品です

 

<材料> 4人分

にんじん…中1本、塩…少々、薄力粉…40g、水…30cc、パン粉…30g

 

<作り方>

1. にんじんは縦4等分にして塩を振り、蒸し煮にします。

2. 1.に水で溶いた薄力粉とパン粉をつけ、180℃の油でこんがり揚げます。

※お好みでレモン汁をかけたり、バジルなどハーブを振ってもおいしいですよ!

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