
- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:税務・確定申告
- 近江 清秀
- (税理士)
- 平 仁
- (税理士)
消費課税における改正では、消費税改革が先送りされたため、地球温暖化
対策のための石油石炭に対する間接税が注目される。この分野は、鳩山
前首相が国際公約としたCO2排出量削減に対する効果が期待されるだけに、
民主党としては早期実現を図りたいところでしょうが…
5.消費課税
(1)地球温暖化対策のための税
「地球温暖化防止のための温室効果ガスの削減は、我が国のみならず
地球規模の重要かつ喫緊の課題です。欧州諸国を中心とした諸外国では、
1990年代以降、燃料などのCO2排出源に対する課税を強化し、
価格メカニズムを通じたCO2排出の抑制や企業による省エネ設備導入の
支援などを行う施策が進められています。」
「広範な分野にわたりエネルギー起源CO2排出抑制を図るため、全化石燃料
を課税ベースとする現行の石油石炭税にCO2排出量に応じた税率を上乗せ
する「地球温暖化対策のための課税の特例」を設けることとします。」
「国及び地方の財政事情は引き続き非常に厳しい状況にあることや、
地球温暖化対策の観点も踏まえ、引き続き、平成23年度においては、
揮発油税、地方揮発油税及び軽油引取税について当分の間として措置
されている現在の税率水準を維持することとします。」
「温室効果ガスの削減に係る国際約束の達成等を図る観点から、森林吸収源
対策を含めた諸施策の着実な推進に資するよう国全体としての財源確保を
引き続き検討します。」
・現行 石油製品2040円、炭化水素1080円、石炭700円
・H23.10.1~ 石油製品2290円、炭化水素1340円、石炭920円
・H25.4.1~ 石油製品2540円、炭化水素1600円、石炭1140円
・H27.4.1~ 石油製品2800円、炭化水素1860円、石炭1370円
(原油・石油製品1klあたり、ガス状炭化水素・石炭1tあたり)
地球温暖化対策のために、いわゆる炭素税等を導入する一方で、暫定措置
でしかない上乗せの暫定税率を廃止するのであれば、理論的にも整合性が
採れようが、今回導入される「地球温暖化対策のための税」は暫定税率の
上乗せでしかなく、それも増税のみ。これでは、選挙前のパフォーマンス
として暫定税率を廃止させただけで、政権を取った後に、暫定税率を
廃止する気はない、と言われているとしか思えないのは私だけでしょうか?
この改正により、石油の末端価格が上がることは必定ですね。昨年の4月に
暫定税率を一時的に失くさせたことの意味が理解できなくなりましたね。
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