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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月26日更新

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社員も会社も甦る!社内コミュニケーションの意外なツボ(9)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・このような企業組織特有の病的な状態を改善させるには、いったいどうすればよいのでしょうか。それには組織が全体としてどのような思考パターンに陥っているかを冷静に観察、分析し、それに適した処方箋を考える必要があります。そしてその思考パターンにはいくつかの「病型」が存在すると言われており、それぞれに適した処方箋があるのです。

 

例を挙げると、先ず第一に、自分たちに「ないもの」にばかり目が行って思考停止に陥るタイプがあります。「~がないから」と言い訳をして、知恵や新しい行動が生まれない組織に陥ります。「商品に魅力がない」「営業力がない」「資金がない」「ネームバリューがない」など「ないない」のオンパレードです。これが発展すると社内の社員同士で「~さんには~がない」などと否定が始まり、社内に不信感がはびこります。このような企業では、社員が自社の強みや誇りを見失い、会社の潜在的な可能性を感じられず、組織は低迷に陥り衰退していきます。

 

次に社員が直面する問題を先送りし、誰も本音でものを言わない、というタイプもあります。このような組織ではトップなどに対して意見することがタブーとされていたり、社内の論理が社会の倫理よりも優先する、などといった現象がみられます。このような状態は、社員の自分を守りたい、仲間外れになりたくない、という心理によって増強されます。社内で話し合われていないことがいつしか新たなタブーとなって、ますます社員はものを言えなくなります。その結果トップはイエスマンのみによって固められ、不祥事や組織の瓦解へと追い込まれます。

 

もう一つは、社員のメンバーが自分の正当性だけを主張し、うまくいかないのは他のメンバーや環境のせいにする、というタイプです。皆が自己の正当化のためにエネルギーを浪費するため、争いの絶えないギスギスした職場となりがちです。このような職場では、個々の社員がトップや周囲から承認されておらず、また社内で価値観が共有されていないために、自己のアイデンティティーが不安定となって無意識のうちに自己の正当化を図ろうとします。そうして社員が無駄なエネルギーを使い果たし、組織は衰退や瓦解へと追い込まれます。

 

上記のような個々のタイプの「組織病」を治療するにあたっては、3つの原則をまず理解する必要があります。その1番目は米国のカーネギー氏が考えだした「85対15の法則」です。組織のリーダーたるものは、そのエネルギーの85%をメンバーのモチベーションや学習意欲、表現能力などの開発に注ぐべきであり、残りの15%を技術的なスキルや知識の習得に充てるという考え方です。現状をみると多くの経営者がその逆にスキルの習得ばかりを行なっており、パフォーマンスが充分に出せていません。社員のモチベーションが如何に重要かを理解すべきなのです。

 

次に「パレートの法則(80対20の法則)」が挙げられます。これは例えば企業の売り上げの8割を優秀な2割の社員が稼ぎ出し、残りの2割を8割の社員が稼いでいる、という比率を表わしています。つまり世の中はそれだけ不公平で、稼ぐグループとそうでないグループとの差が歴然としてある、という現実を示唆しています。これを応用すると、会社組織の思考パターンを改善するという作業に於いても、有力でやる気のある部門やチームに先ずは注力すべき、といえるのです。

 

3つ目は「波及効果の法則」です。経営者やリーダー層で日々行なわれている会話や行動、雰囲気といったものが、一般社員の間に浸透し、ひいては顧客や取り引き先、所属業界などに波及する、という原則です。例えばリーダー会議で笑顔がみられない会社は現場スタッフも顧客に対して笑顔が少ない、リーダー間の仲が悪ければ社員間の仲も悪い、またリーダーが社員の話を聞かなければ社員も顧客の話を聞かない、といった傾向が生じます。つまり良い習慣も悪い習慣も、およそリーダーの習慣は周囲に自然と伝わってしまうのです。

 

これらの3つの法則に則り、社内で「パイロットチーム」を結成して組織の改革を進める、という方法があります。これは社内で選ばれた3~8人程度の社員から構成され、先ずはこのチーム内で組織の思考パターンなどの風土改革を率先して行ない、社内全体に波及させていこう、という考え方です。チームのメンバーは年齢、役職、部署などには関係なく、学習意欲が高くて思考が柔軟で、仕事に対する情熱を持っている人を選びます。そしてチームに役割と権限を与え、トップが全面的な支援を行ないます。いわば集団心理を逆手にとって、組織を効率よく健全にしようという手法です。そのようなパイロットチームを中心として、前述のような様々なタイプの「組織病」に対しては、いったいどのように取り組めばよいのでしょうか・・(続く)

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