- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
うちの子慶應なんですの。知り合いの子が合格したオックスフォードよりすごいですよね。
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留学相談コーナーでこんなの見つけ、絶句、呆然、爆笑、そして「まだこんな考えの人がいるのかぁ」と。
「知り合いの子供が数年前から留学しているのですが、この度オックスフォード大学に入学が決まったと聞きました。
オックスフォードは、すごいのでしょうか?
私の子供が慶応で誇りに思っていましたが、どっちの方がすごいのでしょうか。」
私自身が3人息子を育てている頃は、まだまだ周りにはこんな親が多かったですが、まぁだいるんですね。
一種化石みたいですが、本人がそれに気づいていないことも「わぉ」。
箱の中身を見ずに、箱に書いてある名前のみを生きがいにする学歴社会を作って来た日本。
その中ではまだある程度通用するのかな?この親のような「箱の肩書」の中に子供を入れて親自信が満足しているケースは。
そんな日本を後にしカナダに移住して4年目になります。
クリティカルシンキングを40年近く教えた日本を後にしました。
カナダ現地からの愕然とするほど酷い高校留学実態を日本に向けて発信しつつ、日本の高校で一生懸命頑張りカナダの大学留学を真剣に目指す生徒たちへのサポートを続ける毎日です。
特にこのパンデミックで、日本の生徒・親の意識も随分変わるのを実感、優秀な日本の頭脳がカナダそして世界で花開くのを楽しみにしています。
急激に変わり行く世界の教育情勢、そしてその後の就職実態をカナダから大きな視野で眺めアドバイスを送る日々の中で、前述のような「質問」に、思わず「まだこんな人がいるんや!」と叫びそうになった次第です。
大学の名前にしがみつき、会社の名前でしか自分の存在感を測れない日本は、実はカナダでも「変テコな国」としてステレオタイプが出来上がっています。
パンデミック以来、大学の意義も、就職の中身も目まぐるしく変わる今、まだまだこんな考えに生きがいを求める日本の親の姿は、カナダの教育者や起業家たちには有史以前の人類みたいに映るかも知れません。
日本はこう捉えられています。
名前のみで大学を選び、本当に何も学ばず、箱の中に入る就職をし、会社の中で部署を転々とし、自分の大学で学んだ知識など関係なく、会社に合わせて働き終わる。
大学でも専門分野のプロになるわけでもなく、スキルも時代遅れ、会社に入ってからその会社で教育を受け直す。
何と能力の無駄遣いであるか。
それでいいのか? 日本の雇用方式はすでに世界から大きく遅れてるのに。
ますでぬるま湯の中のゆでガエルのように気がつかない日本。
現在の世界で誇りに思えるのはこれ。
「プロとして社会に貢献出来る卓越した専門能力とスキルを持っていること」
コラム「新時代の就職面接とスキルと嘘つき」
「「大卒」が就職に不要になる日- Skills & College Degree」
つまり
「うちの子慶應なんですの」じゃなくて「何の分野のプロであり、何が出来るか」を具体的に詳細まで語れる能力。
カナダでは「どこの大学を出ましたか?」「どこの大学に行ってますか?」は普通耳にすることはありません。
「大学で何を勉強していますか?(超具体的に)」
「大学で何を極め、何の専門家になりどんなスキルを使えますか?」
が、主要テーマです。
オックスフォードでも、どこでも同じ。
そして。
日本でも、経団連も巻き込んでいわゆる「Job型雇用」という言葉が出てきました。
大企業も続々「個々のスキル」を雇用の大切な要素とする動きが始まっています。
ようやく「やばい、世界に遅れる!」と気がついてきたと思います。
「プロとして社会に貢献出来る卓越した専門能力とスキルを身につけること」
これが大学で学ぶ目的です。
親が自慢するために入学するところではないです。
アホくさ。
と思った方、カナダの大学にいらっしゃい。
世界の先端を走りましょう。
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このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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