
- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:会計・経理
神奈川県鎌倉市は2日、1997〜2008年度の12年間にわたり、
家屋にかかる固定資産税と都市計画税の計算を誤り、
市民約1万2000人から計約1億6000万円を過大に徴収していた、
と発表した。
取り過ぎた分は、09年度中に全額返還する方針。
市によると、過大徴収のミスがあったのは、建築から20年以上
経過した木造家屋など約1万3500棟に対する課税処理。
評価額を計算する際は、建築材料などの価格変動を反映させるが、
97年度以降、材料価格などが下降していたにもかかわらず、
反映させなかった。
市資産税課で昨年8月、3年に1度行う固定資産の評価額の
見直し作業中、誤りに気付いた。
市の要綱では、過大に徴収した固定資産税の返還は過去10年分
までだが、今回は件数や額が多いことを考慮し、要綱を改正して
期間を延長し、全額返還する方針。
これまでも地方税の誤徴収が問題になったことは多いけれども、
後、断ちませんね。
税務大学校でみっちり仕込まれている税務署の職員と異なり、
地方税を担当する職員は、自治体の職員でしかない分、
税務行政のみを担当するわけではないため、どうしても
エキスパートが育たないのですね。
地方議会の議員たちによる政治主導体制もなかなか見込めず、
地方税におけるミスは今後も出てくることが考えられよう。
ただ、今回の鎌倉市のケースは、ミスがあったことは責められても
仕方がないであろうが、規定を改正してでも、全額を返還するという
その姿勢は評価されてしかるべきであろう。
神ではない以上、人間誰しも、ミスはあるもの。
それをできる限り是正することは、当然のことである。
ましてや、税金は国民から見れば、自分の財産を権力的に奪われるもの
でもあるわけだから、より慎重に、より正確であるべきです。
そういう意味では、全額返還を全ての地域に拡げていきたいですね。
確定申告シーズンを迎え、もう一度、昨年の資料を確認しつつ、
ミスがないように、お客様の利益を損ねることがないように、
頑張ろうと、気を引き締めているところです。