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大澤 眞知子
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(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
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閲覧数順 2024年04月19日更新

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高校留学に必須のクリティカル・シンキング

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中学生の方から非常に具体的で的を得た質問をいただきました。

ぜひ応援した気持ちで回答させていただきます。

 

今日は。

現在私の居住しているカナダ・アルバータ州エドモントンは雪で真っ白、厳しい寒さの真っ只中です。

昼間でも−20度より低く、夜の体感温度は−37度!などという日もありますが、家の中はセントラルヒーティングで快適です。 

そんなカナダからの回答です。

中学生なのに、とても論理的・具体的・的を得たご質問ですね。

ぜひ「留学」を応援したい気持ちで回答させていただきます。


1,カナダの授業ではcritical thinkingが取り入れられていますが、それはどのようにしたら身につくものなのでしょうか。


日本の中学生がクリティカル・シンキングを学ぶには、英語圏で実際のクリティカル・シンキング指導法を学んだ人の助けが必要ですね。


残念ながら、日本では社会にも学校にもクリティカル・シンキングは存在しません。

教えられたこと、社会で常識とされることに”Why?”を唱えることがタブーだからだと思います。


逆にカナダの社会、学校共々が、子どもたちに一番奨励するのは疑問を常に持つこと、”Why?”を考え続け、自分なりの結論に近づいていく過程を学習することです。

その過程についても、論理的・客観的・科学的・具体的・批判的にと、脳の成長に合わせて高レベルのクリティカル・シンキングが使えるよう学校のカリキュラムも作られています。


ですから、留学後あなたの出会うカナダの高校生には、ほぼクリティカル・シンキングの基本があり、日本の授業とは全く異なる世界に出会うことになります。

生まれた時からクリティカル・シンキングで育ち、学校でも訓練されるカナダの子どもたちは自然にクリティカル・シンキングが身についていきますので、敢えて学ぶという必要はありません。


私自身が38年間日本で指導したクリティカル・シンキング思考法も、長い時間をかけて行いました。

大体10歳くらいから高校を卒業する年齢まで、様々な教材を使い「自分で観察し」「自分の経験を基礎にし」「周りの事実を科学的・客観的に分析し」「論理的・具体的な結論」を英語で明快・簡単に表現する訓練をしてきました。


現在もオンラインで指導する生徒たちは、特にReading(stories), Writing を中心にクリティカル・シンキング能力を伸ばしています。

オンラインで使っている教材は、MicrosoftのBill Gatesが支援するBig History Project です。

137億年の宇宙の歴史から人類の最近の塁上の進歩までを「論理的・客観的・科学的・具体的・批判的」に英語で理解し、自分のことばで分析します。

日本では高校生にも難関のBig History ですが、私が特別に用意した日本人向けカリキュラムで、中学生たちは完全にはまって勉強しています。

「Big History もっとやりたいです!」と。


日本の学校や、塾、受験勉強とは180度異なる勉強方法ですので、日本の中でご自分ひとりでクリティカル・シンキングを学習するのは難しいですね。

「留学」に関わりなく、身につけると社会全体を違う目で見られるようになりますので、もしBig History に挑戦してみたいならご連絡下さい。

2番で説明している英語の大基本、エッセイの書き方も指導しています。


  

2,高校留学をするにあたっての前準備では何が一番大切だとお思いになりますか。


クリティカル・シンキング思考法とはどんなものなのかを知ること。

留学前にマスターすることは不可能ですが、カナダの高校でなぜ勉強についていけないのか、先生の評価がなぜ低いのか、なぜいくら勉強しても成績に結びつかないのかの理由を理解することが出来ます。

そうでないと、いくら時間をかけて勉強しても空回りになり、正式な授業に入れてもらえないまま帰国することになります(日本からの高校留学生約90%の現状です。)


抽象的な概念についてのエッセイを、自分の観察・経験に基づき論理的に書くエッセイの準備も欠かせません。

英語のエッセイには構造上も、文法上にも日本とはかなり異なる決まりがあります。

論理の組み立てには、もちろんクリティカル・シンキングが必須です。

それも学んでおかないと、何時間かけてエッセイを書いても評価は非常に低いです。

もしくは、何を書けばいいのかわからない状態になり、正規の授業には入れてもらえません。


現在、すでに留学中の日本人高校生へのアカデミックサポートを行っていますが、エッセイで立ち往生しているケースがほとんどです。

エッセイの書き方の基本練習をせずに留学したツケが、どっと押し寄せて来て迷っている生徒の脳を、ひとつひとつほぐす作業からサポートは始まります。


もちろん、英語の正確な文法も必要です。

これも学校で習う文法の決まりとか、問題集とかでなく、英語の文法を自分のエッセイの中でいかに正確に、効果的に使えるかが鍵になります。

日本からの高校留学生の困った特徴ですが、せっかく学校で習った文法を正しく使えないことです。

エッセイを書くと、単数・複数がごちゃごちゃ、主語なしの文の羅列、動詞を適切に使えない、むやみやたらと文法無視で文章をつなぐ等など、カナダの先生からみたら唖然とする英語を書いてしまいます。


もちろん、それでは、仮に高校1年で留学したとしても、1年以上もESL(外国人用英語クラス)に据え置かれ、卒業はおろか、正式な高校1年レベルの授業も取れないまま帰国することになります。

それが現在の日本人高校留学生のほとんどです。



3,エージェントによると、正規留学の人は20人に1人くらいしか失敗する人がいないそうです。 まだ15歳の人がたった1人で異国の文化も言語も違う所で3年間も暮らすのにも関わらず、こんなにも成功率が高いものなのでしょうか…


クリティカル・シンキング使えてますよ!

数学的、論理的に「留学」を分析してみると「そんなに簡単なわけない」と結論に至るのは当たり前です。

 

エージェントについてもたくさんコラムを書いていますので、お読みいただきたいですが、エージェントは学校に斡旋する留学生が払う授業料の15〜20%をリベートとして受けとるのがビジネスです。

「ほとんど失敗しますよ。」などと言おうものなら、送り込む留学生の数自体が減ってしまい、儲けがなくなりますからね。

バラ色の留学を語るのがエージェントの仕事です。

30年近く、カナダで「何しに来たんだろうこの子たちは。」と地元の高校生にも無視され、先生にも本気で相手にされず、ホームステイでも存在感がなく、日本とSNSすることだけが楽しみな高校生を見てきた私には、エージェントは詐欺ビジネスだと思います。


特にカナダの高校卒業資格を取るのは恐ろしく難関です。

それもエージェントは説明しません。

送ってリベートをもらったら、後は自分たちの責任ではないからです。


卒業までたどり着ける日本人高校生は「もともとの学習能力が高く」「英語でクリティカル・シンキング準備をし」「自分で物事の判断がつく大人で(留学したら親は守ってくれませんよ)」と、今までに卒業まで面倒みた生徒たちの顔が浮かんで来ます。


過去の経験からの数字で言うならば、バンクーバー郊外の市で多くの日本人高校生を10年近くサポートしました。

20名程の生徒を留学前、留学後とアカデミックサポートでみんな3年で卒業しました。

その間、その学区には他にも多くの日本人高校生が送られて来ましたね。

大きな学区で、積極的に日本にも勧誘セールスしてましたので、100人以上、200人にもなると思います。


当時のInternational Student Program 担当者が、ある資料を見せてくれました。

過去10年間、日本から来た高校生でBC州高校卒業資格を取ったのはうちの生徒のみでした。

恐ろしい現実ですが、それは日本には言わないよう口止めされました。

卒業出来なかった日本の高校生は、もちろん中卒のまま帰国したか、日本のどこかの私立高校に編入させてもらったのだと思います。


卒業式には誰でも出席させてくれる面白い国のカナダなので、そんな悲惨な現実が表に出ることはまずないですけどね。


余談ですが、「口止め」は効果がなかったです(笑)。

ホームページやコラムなどで「高校留学の現実」を日本に向けて訴える活動を始めました。

悲惨な結果になる前に親たちにも真実を伝える責任を実感したからです。

「留学せん事」という本も出版しました。


もちろん、その市の教育委員会は怒りました。

「なんで日本の親に本当のことを言うんだ!」と。

そことは敵対関係となり、留学サポート自体を見直すいい機会となりました。

  

長い長い回答となりました。

「留学」とはそれだけ複雑で、難しい挑戦だと思っていただければ幸いです。


応援しています。

(現在はアカデミックサポートのみを提供していますが、「エージェントなしの留学」への助言はいつでも無料でやっておりますので、必要ならお知らせ下さい。)


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カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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