不動産売買 トラブル相談例⑧【取引の注意点:引渡日の強制】 - 不動産購入・契約 - 専門家プロファイル

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不動産売買 トラブル相談例⑧【取引の注意点:引渡日の強制】

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不動産購入の基礎知識 契約書・重要事項チェック

 

不動産の購入をお考えの方のほとんどは、不動産取引の経験が無く、

物件の見方や注意点が分からないと不安に感じることがあると思います。

 

しかし、物件の良し悪しだけでなく、取引の方法・内容に関しても注意点が

必要です。

 

下記の質問は、そのような取引についての相談例です。

 

 

□相談内容

現在、新築戸建を建設中です。建物はほぼ完成。外構はまだとりかかっていません。

今月もあと一週間というのに、まだ完成もしていない時点で、引渡し=残金の入金を

今月末でお願いしたいと言われます。

 

理由は…決算だから。

 

建物の内覧会(説明)は明後日にやる予定ですが、確認したところ、

この日に外構は完成しておらず、駐車場のコンクリートさえ入っていない

状態らしいです。

通常の新築戸建ての売買や取引とは、このような段取りでも普通のことなのでしょうか?

 

 

こちらとしては、完成もしてなく、最終チェックもできていなく、修復箇所があった

場合の修復期間も設けずに引渡しは無理なので、きちんと完成してからの来月に

しましょう!と提案しているのですが、決算だからと引いてくれません。

このような場合、どうしたら良いのでしょうか?

相手方が引いてくれなけば、未完成のまま残金決済をしなくてはいけない

のでしょうか?

また、その場合どのようなトラブルが多く起こると考えられますか?

 

これだけはやっておいた方が良いという、対策のようなものはありますか?

 

 

 

 

 

 

回答としては、買主の立場から言えば、完成してからの決済は絶対条件です。

 

通常の取引きから考えても、疑問を感じるところがあります。

 

決済については建物完成後、

・注文通り仕上がっているか?

・間取り、色、機能、別途工事等に間違えは無いか?

・傷や破損はないか?

・未完成部分はないか?

などを確認し、手直しや修理、補等修が必要な場合は引渡しまでに補修してもらい、

その上で残金決済は行うようにすることが良いでしょう。

 

未完成のまま残代金を決済することは、とてもリスクがあり、考えられることには、

引渡し後に工務店が残りの工事を行ったが、予定していた工事と異なる仕上げだったり、

「工事をやり直してくれ」と依頼しても「今更言われても困るよ」と対応を拒否される

といったトラブルがあります。

 

工事が一部完成していない状態で残金決済を行うことは、その後の立場が買主に不利な

状況となりやすいですし、特に資金繰りが困難な状況であることが、決済を急かす理由

だとしたら、未完成の状況で全額支払うことはリスクとなります。

 

契約上でも、完成させてから引渡す旨や、工事の遅れで完成・引渡し・残金の決済が

延期となる内容になっていることが通常の契約ですし、売主の勝手な都合にあせて

リスクだけを負うのはお勧めできません。特に、そのような勝手な言い分を押し通そう

というスタンスが、仕事にもあらわれることも危惧されますので、もう一度、

良く話しあってみる必要があります。

 

尚、どうしても、やむに得ない場合には・・・

 

・残工事を約束する覚書(書面)を売主から取得しておく。

・残代金の一部を支払わずに留保をし、残工事の完了を確認してから支払いをする旨を

書面にて残す。などの対策が考えられます。

この場合の留保金は、万一工事をしなかった場合でも、他で施工してもらって

仕上げる事が出来る程度が良いでしょう。

万一のことを考え、どちらかの対策は立てておく必要があると思います。

 

また、残りの工事を約束していても、安い材料や手を抜いた仕事で片付けられてしまう

可能性も考えられます。

 

非常識な主張を押し通そうとする相手方であれば、全額支払われてしまった

残りの仕事を、丁寧にしっかり行ってくれるか不安にあります。

残りの仕事に対して、何をどう施工し何時までに完了させるかについて、

細かい内容まで記載した書面でももらうことが良いかと思います。

 

 

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