ことの発端は、ネット上にこのマンション建設の欠陥を告発する文章が載り、それを購入者が見つけて三菱地所に問い合わせたようです。すると、マンション内に張り巡らされた水道管などを設置する、スリーブという孔が開いていない事実を認め、急遽マンションの販売を中止する事態になりました。
マンション建設の発注元は、三菱地所子会社の三菱地所レジデンス。施工は鹿島、配管設備は関電工です。わが国を代表する建設各社が建てた高級マンションが、水道管などを納めるスリーブを設置しないで不良建設だったのです。通常では考えられない事態が発生し、公になってしまったのです。
一般的に、内部告発がない場合、この各社はどう事態を収めたのでしょう?強引に後付で補修工事をして、スリーブを取り付けるようなことをしているのでしょうか。建設が終了したマンションやビルを、欠陥が見つかったことから、建て直しをしたという話はあまり聞いたことがありません。
推測するに、昔からこのような設計ミスはあったけれど、ネットのように内部告発する手段がなかったので、見過ごされてきたのかと思われます。また、建築作業に対する生産性向上が叫ばれた2000年代以降、業務に関わる人を減らして専門化が進んだため、初歩的な失敗をチェックする人がいないことも原因と考えられます。
このような事態を考えますと、工事の最終チェックを外部が行うビジネスに起業の可能性がありそうです。これは、冷凍食品の農薬検出でも見られたことですが、社内だけの監視体制ではチェックが行き届かないことは確か。信頼できる外部組織で、しかもライバル社の影がまったくない専門会社が求められます。新たなビジネスにもなりそうです。
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