確かに、準備ばかりでは、お金になりませんから、起業する人は少しでも早く開業したいはずです。ただ、こんな経験はこれまでになかったでしょうか。新しく開業した居酒屋に入ったら、店員さんはピリピリ緊張しているし、出てきた焼き魚は生焼け、そのうえ伝票も間違いだらけでイライラさせられた経験。
支払いのとき、「申し訳ありません。半額でいいです」って期待したけど、しっかり料金を取られるようなケースです。「厭な店」、「不愉快な店」、「まずい店」、「おかしな店員の店」なんて印象が強く焼きつき、最初の一度行っただけで二度とは行くまいと、心に決めたくなるような店です。
お客さんは、絶対にお店のレベルがそのうち上がることを期待してくれません。新店であろうと、老舗であろうと、求めているのは同じで、美味しくてよい雰囲気のお店です。満足のいかないサービスや、不満の残る接客の場合は、間違って一度目は来ても、二度とは来てくれません。
開業前に準備不足のサービス業や飲食業の場合、お客さんに満足のいくサービスや商品を提供できない場合が多々あります。小売業などでも、接客態度が慣れていないことで、お客さんに不愉快な思いをさせることもあります。最大の問題は、せっかく来てくれたお客さんが準備不足で二度と来なくなることです。
しかも、相手が女性客の場合などは、しっかり近所の人や友だちにまずさを広めてくれます。お客さんなどいくらでもいると高をくくっていると、廃業が相当早くなるだけです。起業においても、一定以上の熟練は絶対に必要です。その準備を事前にしっかりしていないと、せっかくの起業自体が台無しになります。
大半の人は、一生に一度の起業機会さえなく人生を終えます。もし起業する機会があるなら、最初から初心者としてではなく、熟練としてお客さんに接しないと相手に悪いです。しかも、このようなカタチで失敗しますと、2度目の起業は相当ハードルが高くなることを知っておいてください。
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