建売住宅やマンションの間取りを、見ていていつも思うのは既製服の窮屈さです。
先ずは、リビングに目が行きますが、最近の間取りは広くはなっていますが、落ち着きがありません。落ち着かない原因は何なんでしょうか?
もう少し詳しく間取りを見ていくと、家具の配置が気になり出します。応接セットをこう配置すればTVはこの位置になるとか、食卓からTVが見通せるかとか、キッチン前から家族を観察できるのか等々です。
家具の配置がほぼ決まると、次に家族の座る位置を考えます。普段家長は何処に座るのか。子供たちは何処に座るのか。主婦はどこに座れば便利なのか等々です。家具の配置と家族の居場所まで想定しているマンションや建売住宅の間取りは皆無です。そこが既製服の窮屈さとなってストレスを感じてしまうのです。
逆に言えば、間取りで部屋割りを考える前に、家具の配置や家族の居場所を考えてから、間取りを考えるのも一案です。そうすることで建売住宅の窮屈さから開放されます。
構造・法規・施工性等の検証は、素人には難しくなりますが、そう言った発想で専門家に依頼すると話しがスムースに流れます。
専門家には、住まう人の居場所や配置した家具の様子が判らないのです。それらの情報を専門家に伝えることにより、住まう人が理想とする間取りが出来上がります。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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