居酒屋不況の中、好調を維持する｢塚田農場｣　（前編）

　市場縮小の続く外食産業の中でも、特に居酒屋業界は厳しい状況が続いています。

　そんな居酒屋業界にあって、｢塚田農場｣、｢じっとこ｣、｢四十八魚場｣、｢平澤精肉店｣

など15ブランドを展開する株式会社エー･ピーカンパニー(東京･港区)は、ほぼ唯一好調を

維持しています。

　実際に、既存店売上の前年同月対比を見てみると、今年4月（101.2％）以降、9月

（102.9％）まで前年実績を上回る業績を上げています。

　また、エー・ピーカンパニーは通常の外食企業とは違い、自社や提携先が育てた地鶏を

自社店舗で販売する「生産＆製造」を直結させた6次化ビジネスモデルが特徴です。

　主力居酒屋業態の｢塚田農場｣は、鹿児島や宮崎、北海道の地鶏を中心食材に据えている

ことに加えて、自社4か所、委託先で育てた地鶏の使用により客単価4,000円で提供でき

るように、コストパフォーマンスも実現しているのです。

　最近、飲食業界にも6次産業化の波が押し寄せています。

　居酒屋の｢ワタミ｣、白木屋を展開する｢モンテローザ｣、定食チェーンの｢大戸屋｣は、

すでに農業へ参入しており、ラーメン店一風堂を展開する力の源カンパニーも大分県

竹田市において、スイートコーンなどの生産を開始しています。

　ブランド豚｢平牧三元豚｣で知られる養豚大手、平田牧場（1次産業）のように、3次

産業の外食事業を積極的に展開する企業も現れ始めました。

　このように、農業に参入し野菜を作っている外食産業も増えてきていますが、自社全体

の総消費量の数％程度の内製化では、コスト面を含め、あまりインパクトはありません。

　ところが、エー・ピーカンパニーの場合はメインの地鶏を100％自社もしくは提携先で

作っている点が他の外食企業と大きく違っています。

　また、提携先農家26軒、7漁港で50人以上の漁師と提携し、宮崎県日南市に加工工場を

造ることで、周辺に300人ほどの雇用も生み出し、地域貢献も果たしているのです。

＜弊社メールマガジンより抜粋＞

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