社会保険労務士試験 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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鈴木 祥平
鈴木 祥平
(弁護士)
ジコナビ代表 前田修児
(行政書士)

閲覧数順 2017年05月23日更新

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社会保険労務士試験

第1、社会保険労務士の試験
社会保険労務士試験の対象は(社会保険労務士法9条)、大別して、労働法と社会保険法であり、
① 労働基準法、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(均等法)、高年齢者雇用安定法、労働者派遣法、労働契約法、短時間労働者法
② 労働安全衛生法、
③ 労働者災害補償保険法
④ 雇用保険法
⑤ 労働保険料徴収法、
⑥ 健康保険法、
⑦ 厚生年金保険法、
⑧ 国民年金法
⑨ 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識(介護保険法、後期高齢者医療制度、社会保険労務士法など)である。

第2、社会保険労務士試験の傾向(司法試験との比較)
社会保険労務士試験の特色として、条文と通達の重視がある。
社会保険労務士試験のテキストを読むと、法律の条文、主な施行規則・施行令の条文、通達が重点的に書いてある。裁判例のうち下級審裁判例に言及されることはなく、最高裁判例のみ判決要旨が掲げられており、判決の理由付けはあまり重視されていない。
逆に言えば、社会保険労務士は、条文の規定・通達などは丸暗記しているくらい詳しいと思われる。
司法試験では、結論・理由付けともに重視される。
これに対して、社会保険労務士試験では結論(条文、通達)が重視される。

第3、特定社会保険労務士、「紛争解決手続代理業務」
 個別労働関係紛争の解決促進に関する法律に規定する業務(都道府県労働局紛争調整委員会 のあっせん手続)、裁判外紛争解決手続(ADR)の代理人になれるなどの「紛争解決手続代理業務」を取り扱うことのできる「特定社会保険労務士」の制度が近時創設された。社会保険労務士にとっては新しいビジネスチャンスである。
 しかし、上記業務は紛争解決手続であるため、従来の書類作成・申請書作成中心の社会保険労務士業務とは異なる領域で、訴訟手続にも類似している。
 特定社会保険労務士の保有者は、社会保険労務士全体から見れば比率は少ない。

また、社会保険労務士の業務分野は、社会保険労務士法の第2条、別表第一に列挙されている。
なお、仄聞するに、社会保険労務士でも、通常の社会保険の書類作成を中心的な業務(顧問業務)とされている方が多いようで、労務管理・労使紛争・労働安全衛生・労災などについて、得意とされている方は少ないようである。これらの分野は社会保険労務士試験でも、それほど重きが置かれていない。

社会保険労務士法
(社会保険労務士の業務)
第二条  社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。
一  別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて申請書等(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、異議申立書、再審査請求書その他の書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識できない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。)をいう。)を作成すること。
一の二  申請書等について、その提出に関する手続を代わってすること。
一の三  労働社会保険諸法令に基づく申請、届出、報告、審査請求、異議申立て、再審査請求その他の事項(厚生労働省令で定めるものに限る。以下この号において「申請等」という。)について、又は当該申請等に係る行政機関等の調査若しくは処分に関し当該行政機関等に対してする主張・陳述(厚生労働省令で定めるものを除く。)について、代理すること(第二十五条の二第一項において「事務代理」という。)。
一の四  個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第六条第一項 の紛争調整委員会における同法第五条第一項 のあっせんの手続並びに雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第十八条第一項 、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第五十二条の五第一項 及び短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第二十二条第一項 の調停の手続について、紛争の当事者を代理すること。
一の五  地方自治法 第百八十条の二 の規定に基づく都道府県知事の委任を受けて都道府県労働委員会が行う個別労働関係紛争(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第一条 に規定する個別労働関係紛争(労働関係調整法 第六条 に規定する労働争議に当たる紛争及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律 (昭和二十三年法律第二百五十七号)第二十六条第一項 に規定する紛争並びに労働者の募集及び採用に関する事項についての紛争を除く。)をいう。以下単に「個別労働関係紛争」という。)に関するあっせんの手続について、紛争の当事者を代理すること。
一の六  個別労働関係紛争(紛争の目的の価額が民事訴訟法第三百六十八条第一項 に定める額を超える場合には、弁護士が同一の依頼者から受任しているものに限る。)に関する民間紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律 第二条第一号 に規定する民間紛争解決手続をいう。以下この条において同じ。)であって、個別労働関係紛争の民間紛争解決手続の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として厚生労働大臣が指定するものが行うものについて、紛争の当事者を代理すること。
二  労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含み、申請書等を除く。)を作成すること。
三  事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること。
2  前項第一号の四から第一号の六までに掲げる業務(以下「紛争解決手続代理業務」という。)は、紛争解決手続代理業務試験に合格し、かつ、第十四条の十一の三第一項の規定による付記を受けた社会保険労務士(以下「特定社会保険労務士」という。)に限り、行うことができる。
3  紛争解決手続代理業務には、次に掲げる事務が含まれる。
一  第一項第一号の四のあっせんの手続及び調停の手続、同項第一号の五のあっせんの手続並びに同項第一号の六の厚生労働大臣が指定する団体が行う民間紛争解決手続(以下この項において「紛争解決手続」という。)について相談に応ずること。
二  紛争解決手続の開始から終了に至るまでの間に和解の交渉を行うこと。
三  紛争解決手続により成立した和解における合意を内容とする契約を締結すること。
4  第一項各号に掲げる事務には、その事務を行うことが他の法律において制限されている事務並びに労働社会保険諸法令に基づく療養の給付及びこれに相当する給付の費用についてこれらの給付を担当する者のなす請求に関する事務は含まれない。


社会保険労務士法施行規則
    第二節 紛争解決手続代理業務試験
「特定社会保険労務士」になるためには、「紛争解決手続代理業務」の研修、試験の合格が必要である。
(研修)
施行規則第九条の三  社会保険労務士法第十三条の三第一項 の厚生労働省令で定める研修は、社会保険労務士連合会が、次に掲げる事項について講義及び演習により行うものとし、当該研修の総時間数は、六十三時間以上とする。
一  個別労働関係紛争に関する法令及び実務に関すること。
二  個別労働関係紛争の解決のための手続に関すること。
三  個別労働関係紛争における書面の作成に関すること。
四  紛争解決手続代理業務に携わる者としての倫理に関すること。
五  その他個別労働関係紛争に関し必要な事項

施行規則第九条の四  社会保険労務士連合会は、前条の規定により連合会が行う研修の実施計画を作成し、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
2  社会保険労務士連合会は、前条の規定により連合会が行う研修を修了した者に対して研修修了証を交付しなければならない。

(紛争解決手続代理業務試験の受験の申込み)
施行規則第九条の五  社会保険労務士法第十三条の三第一項 の紛争解決手続代理業務試験を受けようとする者は、受付期間内に、厚生労働大臣が社会保険労務士法第十三条の四 に規定する代理業務試験事務(以下「代理業務試験事務」という。)を行う場合にあっては紛争解決手続代理業務試験受験申込書(様式第五号の二)を所轄の地方厚生局長等又は労働局長を経由して厚生労働大臣に、社会保険労務士連合会が代理業務試験事務を行う場合にあっては社会保険労務士連合会が定める紛争解決手続代理業務試験の受験申込書を社会保険労務士連合会に提出しなければならない。
2  前項の規定により紛争解決手続代理業務試験受験申込書(社会保険労務士連合会が定める紛争解決手続代理業務試験の受験申込書を含む。)を提出する場合には、次の書類等を添えなければならない。ただし、紛争解決手続代理業務試験を受けようとする者が当該試験の日までに施行規則第九条の三第一項に規定する研修を修了する見込みである場合には、第一号の研修修了証に代えて、当該試験の日までに当該研修を修了する見込みであることを証する書面を添えなければならない。
一  前条第二項に規定する研修修了証
二  写真

社会保険労務士法 別表第一 (第二条関係)
一 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)
二 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)
三 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)
四 雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)
五 労働保険審査官及び労働保険審査会法(昭和三十一年法律第百二十六号)
六 独立行政法人労働者健康福祉機構法(平成十四年法律第百七十一号)
七 職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)
八 駐留軍関係離職者等臨時措置法(昭和三十三年法律第百五十八号。第十条の二の規定に限る。)
九 最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)
十 中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)
十一 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法(昭和五十二年法律第九十四号)
十二 じん肺法(昭和三十五年法律第三十号)
十三 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)
十四 削除
十五 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和三十七年法律第百五十号。第二十五条の規定に限る。)
十六 労働災害防止団体法(昭和三十九年法律第百十八号)
十七 港湾労働法(昭和六十三年法律第四十七号)
十八 雇用対策法(昭和四十一年法律第百三十二号)
十九 炭鉱災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法(昭和四十二年法律第九十二号)
二十 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
二十の二 家内労働法(昭和四十五年法律第六十号)
二十の三 勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)
二十の四 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号)
二十の五 沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号。第七十八条の規定に限る。)
二十の六 労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)
二十の七 作業環境測定法(昭和五十年法律第二十八号)
二十の八 建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号)
二十の九 賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)
二十の十 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法(昭和五十六年法律第七十二号。第十六条(第十八条の規定により読み替える場合を含む。)及び第二十条の規定に限る。)
二十の十一 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)
二十の十二 地域雇用開発促進法(昭和六十二年法律第二十三号)
二十の十三 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律(平成三年法律第五十七号)
二十の十四 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成四年法律第六十三号)
二十の十五 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成四年法律第九十号)
二十の十六 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
二十の十七 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
二十の十八 林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十五号。第十三条の規定に限る。)
二十の十九 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
二十の二十 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律
二十の二十一 石綿による健康被害の救済に関する法律(平成十八年法律第四号。第三十八条及び第五十九条の規定に限る。)
二十の二十二 次世代育成支援対策推進法(平成十五年法律第百二十号)
二十の二十三 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律(平成二十三年法律第四十七号)
二十一 健康保険法
二十二 船員保険法
二十三 社会保険審査官及び社会保険審査会法(昭和二十八年法律第二百六号)
二十四 厚生年金保険法
二十五  国民健康保険法
二十六 国民年金法
二十七 独立行政法人福祉医療機構法(平成十四年法律第百六十六号。第十二条第一項第十二号及び第十三号並びに附則第五条の二の規定に限る。)
二十八 石炭鉱業年金基金法(昭和四十二年法律第百三十五号)
二十九 児童手当法
二十九の二 平成二十二年度等における子ども手当の支給に関する法律(平成二十二年法律第十九号)
二十九の三 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法(平成二十三年法律第百七号)
三十 高齢者の医療の確保に関する法律
三十一 介護保険法
三十二 前各号に掲げる法律に基づく命令
三十三 行政不服審査法(前各号に掲げる法令に係る不服申立ての場合に限る。)


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