国民年金法 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:民事家事・生活トラブル

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 第1章 総則(第1条―第6条)
 第2章 被保険者(第7条―第14条の2)
 第3章 給付
  第1節 通則(第15条―第25条)
  第2節 老齢基礎年金(第26条―第29条)
  第3節 障害基礎年金(第30条―第36条の4)
  第4節 遺族基礎年金(第37条―第42条)
  第5節 付加年金、寡婦年金及び死亡一時金
   第1款 付加年金(第43条―第48条)
   第2款 寡婦年金(第49条―第52条)
   第3款 死亡一時金(第52条の2―第68条)
  第6節 給付の制限(第69条―第73条)
 第4章 国民年金事業の円滑な実施を図るための措置(第74条)
 第5章 積立金の運用(第75条―第84条)
 第6章 費用(第85条―第100条)
 第7章 不服申立て(第101条・第101条の2)
 第8章 雑則(第102条―第110条)
 第9章 罰則(第111条―第114条)
 第1章 国民年金基金及び国民年金基金連合会
  第1節 国民年金基金
   第1款 通則(第115条―第118条の2)
   第2款 設立(第119条―第119条の5)
   第3款 管理(第120条―第126条)
   第4款 加入員(第127条・第127条の2)
   第5款 基金の行う業務(第128条―第133条)
   第6款 費用の負担(第134条・第134条の2)
   第7款 解散及び清算(第135条―第137条の2の4)
  第2節 国民年金基金連合会
   第1款 通則(第137条の2の5―第137条の4)
   第2款 設立(第137条の5―第137条の7)
   第3款 管理及び会員(第137条の8―第137条の14)
   第4款 連合会の行う業務(第137条の15―第137条の21)
   第5款 解散及び清算(第137条の22―第137条の24)
  第3節 雑則(第138条―第142条の2)
  第4節 罰則(第143条―第148条)

   第1章 総則
(国民年金制度の目的)
第1条  国民年金制度は、日本国憲法第25条第2項 に規定する理念に基き、老齢、障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。
(国民年金の給付)
第2条  国民年金は、前条の目的を達成するため、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。
(管掌)
第3条  国民年金事業は、政府が、管掌する。
2  国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によって組織された共済組合(以下「共済組合」という。)、国家公務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は私立学校教職員共済法の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団(以下「共済組合等」という。)に行わせることができる。
3  国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。)が行うこととすることができる。
(年金額の改定)
第4条  この法律による年金の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。
(財政の均衡)
第4条の2  国民年金事業の財政は、長期的にその均衡が保たれたものでなければならず、著しくその均衡を失すると見込まれる場合には、速やかに所要の措置が講ぜられなければならない。
(財政の現況及び見通しの作成)
第4条の3  政府は、少なくとも五年ごとに、保険料及び国庫負担の額並びにこの法律による給付に要する費用の額その他の国民年金事業の財政に係る収支についてその現況及び財政均衡期間における見通し(以下「財政の現況及び見通し」という。)を作成しなければならない。
2  前項の財政均衡期間(第16条の2第1項において「財政均衡期間」という。)は、財政の現況及び見通しが作成される年以降おおむね10年間とする。
3  政府は、第1項の規定により財政の現況及び見通しを作成したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(用語の定義)
第5条  この法律において、「被用者年金各法」とは、次の各号に掲げる法律をいう。
一  厚生年金保険法
二  国家公務員共済組合法
三  地方公務員等共済組合法
四  私立学校教職員共済法
2  この法律において、「保険料納付済期間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料(第96条の規定により徴収された保険料を含み、第90条の2第1項から第3項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたものを除く。。)に係るもの、第7条第1項第2号に規定する被保険者としての被保険者期間及び同項第3号に規定する被保険者としての被保険者期間を合算した期間をいう。
3  この法律において、「保険料免除期間」とは、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を合算した期間をいう。
4  この法律において、「保険料全額免除期間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者としての被保険者期間であって第89条、第90条第1項又は第90条の3第1項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもののうち、第94条第4項の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。
5  この法律において、「保険料4分の3免除期間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者としての被保険者期間であって第90条の2第1項の規定によりその4分の3の額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた4分の3の額以外の4分の1の額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、第94条第4項の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。
6  この法律において、「保険料半額免除期間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者としての被保険者期間であって第90条の2第2項の規定によりその半額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた半額以外の半額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、第94条第4項の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。
7  この法律において、「保険料4分の1免除期間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者としての被保険者期間であって第90条の2第3項の規定によりその4分の1の額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた4分の1の額以外の4分の3の額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、第94条第4項の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。
8  この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。
9  この法律において、「被用者年金保険者」とは、厚生年金保険の管掌者たる政府又は年金保険者たる共済組合等をいう。
10  この法律において、「年金保険者たる共済組合等」とは、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。
(事務の区分)
第6条  第12条第1項及び第4項(第105条第2項において準用する場合を含む。)並びに第105条第1項及び第4項の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法 第2条第9項第1号 に規定する第1号 法定受託事務とする。
   第2章 被保険者
(被保険者の資格)
第7条  次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。
1日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって次号及び第3号のいずれにも該当しないもの(被用者年金各法に基づく老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付その他の老齢又は退職を支給事由とする給付であって政令で定めるもの(以下「被用者年金各法に基づく老齢給付等」という。)を受けることができる者を除く。以下「第1号被保険者」という。)
二  被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者(以下「第2号被保険者」という。)
三  第2号被保険者の配偶者であって主として第2号被保険者の収入により生計を維持するもの(第2号被保険者である者を除く。以下「被扶養配偶者」という。)のうち20歳以上60歳未満のもの(以下「第3号被保険者」という。)
2  前項第3号の規定の適用上、主として第2号被保険者の収入により生計を維持することの認定に関し必要な事項は、政令で定める。
3  前項の認定については、行政手続法第3章 (第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。
(資格取得の時期)
第8条  前条の規定による被保険者は、同条第1項第2号及び第3号のいずれにも該当しない者については第1号から第3号までのいずれかに該当するに至った日に、20歳未満の者又は60歳以上の者については第4号に該当するに至った日に、その他の者については同号又は第5号のいずれかに該当するに至った日に、それぞれ被保険者の資格を取得する。
一  20歳に達したとき。
二  日本国内に住所を有するに至ったとき。
三  被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者でなくなったとき。
四  被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者の資格を取得したとき。
五  被扶養配偶者となったとき。
(資格喪失の時期)
第9条  第7条の規定による被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第2号に該当するに至った日に更に第7条第1項第2号若しくは第3号に該当するに至ったとき又は第3号から第5号までのいずれかに該当するに至ったときは、その日)に、被保険者の資格を喪失する。
一  死亡したとき。
二  日本国内に住所を有しなくなったとき(第7条第1項第2号又は第3号に該当するときを除く。)。
三  60歳に達したとき(第7条第1項第2号に該当するときを除く。)。
四  被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者となったとき(第7条第1項第2号又は第3号に該当するときを除く。)。
五  被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者の資格を喪失したとき(第7条第1項各号のいずれかに該当するときを除く。)。
六  被扶養配偶者でなくなったとき(第7条第1項第1号又は第2号に該当するときを除く。)。
(任意脱退)
第10条  被保険者でなかった者が第1号被保険者となった場合又は第2号被保険者若しくは第3号被保険者が第1号被保険者となった場合において、その者の次に掲げる期間を合算した期間が25年に満たないときは、その者は、第7条第1項の規定にかかわらず、いつでも、厚生労働大臣の承認を受けて、被保険者の資格を喪失することができる。
一  被保険者の資格を取得した日又は第2号被保険者若しくは第3号被保険者が第1号被保険者となった日の属する月から60歳に達する日の属する月の前月までの期間
二  その者が被保険者期間を有する者である場合におけるその被保険者期間
2  前項の場合においては、その者は、同項の承認を受けた日の翌日に被保険者の資格を喪失する。ただし、被保険者でなかった者が第1号被保険者となった場合であって、同項の承認の申請が、その者が被保険者の資格を取得した日から起算して3月以内になされたものであるときは、その者は、さかのぼって被保険者とならなかったものとみなし、第2号被保険者又は第3号被保険者が第1号被保険者となった場合であって、同項の承認の申請が、当該第1号被保険者となった日から起算して3月以内になされたものであるときは、その者は、当該第1号被保険者となった日にさかのぼって被保険者の資格を喪失したものとみなす。
(被保険者期間の計算)
第11条  被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した日の属する月からその資格を喪失した日の属する月の前月までをこれに算入する。
2  被保険者がその資格を取得した日の属する月にその資格を喪失したときは、その月を1箇月として被保険者期間に算入する。ただし、その月にさらに被保険者の資格を取得したときは、この限りでない。
3  被保険者の資格を喪失した後、さらにその資格を取得した者については、前後の被保険者期間を合算する。
第11条の2  第1号被保険者としての被保険者期間、第2号被保険者としての被保険者期間又は第3号被保険者としての被保険者期間を計算する場合には、被保険者の種別(第1号被保険者、第2号被保険者又は第3号被保険者のいずれであるかの区別をいう。)に変更があった月は、変更後の種別の被保険者であった月とみなす。同一の月において、二回以上にわたり被保険者の種別に変更があったときは、その月は最後の種別の被保険者であった月とみなす。
(届出)
第12条  被保険者(第3号被保険者を除く。次項において同じ。)は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を市町村長に届け出なければならない。
2  被保険者の属する世帯の世帯主(以下「世帯主」という。)は、被保険者に代って、前項の届出をすることができる。
3  住民基本台帳法 第22条 から第24条 まで、第30条の46又は第30条の47の規定による届出があったとき(当該届出に係る書面に同法第29条 の規定による付記がされたときに限る。)は、その届出と同一の事由に基づく第1項の規定による届出があったものとみなす。
4  市町村長は、第1項又は第2項の規定による届出を受理したとき(氏名及び住所の変更に関する事項の届出であって厚生労働省令で定めるものを受理したときを除く。)は、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働大臣にこれを報告しなければならない。
5  第3号被保険者は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、氏名及び住所の変更に関する事項であって厚生労働省令で定めるものについては、この限りでない。
6  前項の届出は、厚生労働省令で定める場合を除き、厚生年金保険法 の被保険者である第2号 被保険者の被扶養配偶者である第3号 被保険者にあっては、その配偶者である第2号被保険者を使用する事業主を経由して行うものとし、国家公務員共済組合法 若しくは地方公務員等共済組合法 の組合員又は私立学校教職員共済法 の規定による私立学校教職員共済制度の加入者(以下「私学教職員共済制度の加入者」という。)である第2号 被保険者の被扶養配偶者である第3号 被保険者にあっては、その配偶者である第2号被保険者を組合員又は加入者とする国家公務員共済組合、地方公務員共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団を経由して行うものとする。
7  前項に規定する第2号被保険者を使用する事業主とは、厚生年金保険法 の被保険者である第2号 被保険者を使用する事業所(同法第6条第1項 に規定する事業所をいう。)の事業主(同法第27条 に規定する事業主をいう。第108条第3項において同じ。)をいう。
8  第6項に規定する第2号被保険者を使用する事業主は、同項の経由に係る事務の一部を当該事業主が設立する健康保険組合に委託することができる。
9  第6項の規定により、第5項の届出が第2号被保険者を使用する事業主又は国家公務員共済組合、地方公務員共済組合若しくは日本私立学校振興・共済事業団に受理されたときは、その受理されたときに厚生労働大臣に届出があったものとみなす。
(国民年金手帳)
第13条  厚生労働大臣は、前条第4項の規定により被保険者の資格を取得した旨の報告を受けたとき、又は同条第5項の規定により第3号被保険者の資格の取得に関する届出を受理したときは、当該被保険者について国民年金手帳を作成し、その者にこれを交付するものとする。ただし、その被保険者が既に国民年金手帳の交付を受け、これを所持している場合は、この限りでない。
2  国民年金手帳の様式及び交付その他国民年金手帳に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(国民年金原簿)
第14条  厚生労働大臣は、国民年金原簿を備え、これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失、種別の変更、保険料の納付状況、基礎年金番号(政府管掌年金事業(政府が管掌する国民年金事業及び厚生年金保険事業をいう。)の運営に関する事務その他当該事業に関連する事務であって厚生労働省令で定めるものを遂行するために用いる記号及び番号であって厚生労働省令で定めるものをいう。)その他厚生労働省令で定める事項を記録するものとする。
(被保険者に対する情報の提供)
第14条の2  厚生労働大臣は、国民年金制度に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者に対し、当該被保険者の保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を分かりやすい形で通知するものとする。
   第3章 給付
    第1節 通則
(給付の種類)
第15条  この法律による給付(以下「給付」という。)は、次のとおりとする。
一  老齢基礎年金
二  障害基礎年金
三  遺族基礎年金
四  付加年金、寡婦年金及び死亡一時金
(裁定)
第16条  給付を受ける権利は、その権利を有する者(以下「受給権者」という。)の請求に基いて、厚生労働大臣が裁定する。
(調整期間)
第16条の2  政府は、第4条の3第1項の規定により財政の現況及び見通しを作成するに当たり、国民年金事業の財政が、財政均衡期間の終了時に給付の支給に支障が生じないようにするために必要な積立金(年金特別会計の国民年金勘定の積立金をいう。第5章において同じ。)を保有しつつ当該財政均衡期間にわたってその均衡を保つことができないと見込まれる場合には、年金たる給付(付加年金を除く。)の額(以下この項において「給付額」という。)を調整するものとし、政令で、給付額を調整する期間(以下「調整期間」という。)の開始年度を定めるものとする。
2  財政の現況及び見通しにおいて、前項の調整を行う必要がなくなったと認められるときは、政令で、調整期間の終了年度を定めるものとする。
3  政府は、調整期間において財政の現況及び見通しを作成するときは、調整期間の終了年度の見通しについても作成し、併せて、これを公表しなければならない。
(端数処理)
第17条  年金たる給付(以下「年金給付」という。)を受ける権利を裁定する場合又は年金給付の額を改定する場合において、年金給付の額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上10円未満の端数が生じたときは、これを10円に切り上げるものとする。
2  前項に規定するもののほか、年金給付の額を計算する場合において生じる一円未満の端数の処理については、政令で定める。
(年金の支給期間及び支払期月)
第18条  年金給付の支給は、これを支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から始め、権利が消滅した日の属する月で終るものとする。
2  年金給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、その事由が生じた日の属する月の翌月からその事由が消滅した日の属する月までの分の支給を停止する。ただし、これらの日が同じ月に属する場合は、支給を停止しない。
3  年金給付は、毎年二月、四月、6月、八月、十月及び十二月の6期に、それぞれの前月までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであった年金又は権利が消滅した場合若しくは年金の支給を停止した場合におけるその期の年金は、その支払期月でない月であっても、支払うものとする。
(死亡の推定)
第18条の2  船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となった際現にその船舶に乗っていた者若しくは船舶に乗っていてその船舶の航行中に行方不明となった者の生死が3箇月間分らない場合又はこれらの者の死亡が3箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期が分らない場合には、死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用については、その船舶が沈没し、転覆し、滅失し、若しくは行方不明となった日又はその者が行方不明となった日に、その者は、死亡したものと推定する。航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となった際現にその航空機に乗っていた者若しくは航空機に乗っていてその航空機の航行中に行方不明となった者の生死が3箇月間分らない場合又はこれらの者の死亡が3箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期が分らない場合にも、同様とする。
(失踪宣告の場合の取扱い)
第18条の3  失踪の宣告を受けたことにより死亡したとみなされた者に係る死亡を支給事由とする給付の支給に関する規定の適用については、第37条、第37条の2、第49条第1項、第52条の2第1項及び第52条の3第1項中「死亡日」とあるのは「行方不明となった日」とし、「死亡の当時」とあるのは「行方不明となった当時」とする。ただし、受給権者又は給付の支給の要件となり、若しくはその額の加算の対象となる者の身分関係、年齢及び障害の状態に係るこれらの規定の適用については、この限りでない。
(未支給年金)
第19条  年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる。
2  前項の場合において、死亡した者が遺族基礎年金の受給権者であったときは、その者の死亡の当時当該遺族基礎年金の支給の要件となり、又はその額の加算の対象となっていた被保険者又は被保険者であった者の子は、同項に規定する子とみなす。
3  第1項の場合において、死亡した受給権者が死亡前にその年金を請求していなかったときは、同項に規定する者は、自己の名で、その年金を請求することができる。
4  未支給の年金を受けるべき者の順位は、第1項に規定する順序による。
5  未支給の年金を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。

最高裁平成7・11・7
国民年金法(昭和六〇年改正前のもの)に基づく年金の受給資格を有する者が国に対して未支給年金の支払を求める訴訟の係属中に死亡した場合には、別途、遺族が社会保険超長官(当時)に請求をし支給決定を求めるべきで、右訴訟は当然に終了し、同法19条1項所定の者がこれを承継するものではない。

最高裁平成16・12・20
不法行為により死亡した被害者の相続人がその死亡を原因として遺族厚生年金の受給権を取得したとき(厚生年金保険法59条)は,当該相続人がする損害賠償請求において,支給を受けることが確定した遺族厚生年金を給与収入等を含めた逸失利益全般から控除すべきである。

(併給の調整)
第20条  遺族基礎年金又は寡婦年金は、その受給権者が他の年金給付(付加年金を除く。)又は被用者年金各法による年金たる給付(当該年金給付と同一の支給事由に基づいて支給されるものを除く。以下この条において同じ。)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。老齢基礎年金の受給権者が他の年金給付(付加年金を除く。)又は被用者年金各法による年金たる給付(遺族厚生年金並びに退職共済年金及び遺族共済年金を除く。)を受けることができる場合における当該老齢基礎年金及び障害基礎年金の受給権者が他の年金給付(付加年金を除く。)を受けることができる場合における当該障害基礎年金についても、同様とする。
2  前項の規定によりその支給を停止するものとされた年金給付の受給権者は、同項の規定にかかわらず、その支給の停止の解除を申請することができる。ただし、その者に係る同項に規定する他の年金給付又は被用者年金各法による年金たる給付について、この項の本文若しくは次項又は他の法令の規定でこれらに相当するものとして政令で定めるものによりその支給の停止が解除されているときは、この限りでない。
3  第1項の規定によりその支給を停止するものとされた年金給付について、その支給を停止すべき事由が生じた日の属する月分の支給が行われる場合は、その事由が生じたときにおいて、当該年金給付に係る前項の申請があったものとみなす。
4  第2項の申請(前項の規定により第2項の申請があったものとみなされた場合における当該申請を含む。)は、いつでも、将来に向かって撤回することができる。

最高裁昭和57・12・17
 国民年金法20条の規定は、憲法14条違反の問題を生じない。

(受給権者の申出による支給停止)
第20条の2  年金給付(この法律の他の規定又は他の法令の規定によりその全額につき支給を停止されている年金給付を除く。)は、その受給権者の申出により、その全額の支給を停止する。ただし、この法律の他の規定又は他の法令の規定によりその額の一部につき支給を停止されているときは、停止されていない部分の額の支給を停止する。
2  前項ただし書のその額の一部につき支給を停止されている年金給付について、この法律の他の規定又は他の法令の規定による支給停止が解除されたときは、前項本文の年金給付の全額の支給を停止する。
3  第1項の申出は、いつでも、将来に向かって撤回することができる。
4  第1項又は第2項の規定により支給を停止されている年金給付は、政令で定める法令の規定の適用については、その支給を停止されていないものとみなす。
5  第1項の規定による支給停止の方法その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(年金の支払の調整)
第21条  乙年金の受給権者が甲年金の受給権を取得したため乙年金の受給権が消滅し、又は同1人に対して乙年金の支給を停止して甲年金を支給すべき場合において、乙年金の受給権が消滅し、又は乙年金の支給を停止すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として、乙年金の支払が行われたときは、その支払われた乙年金は、甲年金の内払とみなす。
2  年金の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず、その停止すべき期間の分として年金が支払われたときは、その支払われた年金は、その後に支払うべき年金の内払とみなすことができる。障害基礎年金又は遺族基礎年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として減額しない額の障害基礎年金又は遺族基礎年金が支払われた場合における当該障害基礎年金又は遺族基礎年金の当該減額すべきであった部分についても、同様とする。
3  同1人に対して厚生年金保険法 による年金たる保険給付の支給を停止して年金給付を支給すべき場合において、年金給付を支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として同法 による年金たる保険給付の支払が行われたときは、その支払われた同法 による年金たる保険給付は、年金給付の内払とみなすことができる。
第21条の2  年金給付の受給権者が死亡したためその受給権が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以降の分として当該年金給付の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(以下この条において「返還金債権」という。)に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき年金給付があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該年金給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。
(損害賠償請求権)
第22条  政府は、障害若しくは死亡又はこれらの直接の原因となった事故が第三者の行為によって生じた場合において、給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
2  前項の場合において、受給権者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で、給付を行う責を免かれる。
(不正利得の徴収)
第23条  偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、厚生労働大臣は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
(受給権の保護)
第24条  給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
(公課の禁止)
第25条  租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない。
    第2節 老齢基礎年金
(支給要件)
第26条  老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(第90条の3第1項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が65歳に達したときに、その者に支給する。ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年に満たないときは、この限りでない。
(年金額)
第27条  老齢基礎年金の額は、78万900円に改定率(次条第1項の規定により設定し、同条(第1項を除く。)から第27条の5までの規定により改定した率をいう。)を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上10円未満の端数が生じたときは、これを10円に切り上げるものとする。)とする。ただし、保険料納付済期間の月数が480に満たない者に支給する場合は、当該額に、次の各号に掲げる月数を合算した月数(480を限度とする。)を480で除して得た数を乗じて得た額とする。
一  保険料納付済期間の月数
二  保険料4分の1免除期間の月数(480から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度とする。)の8分の7に相当する月数
三  保険料4分の1免除期間の月数から前号に規定する保険料4分の1免除期間の月数を控除して得た月数の8分の3に相当する月数
四  保険料半額免除期間の月数(480から保険料納付済期間の月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の4分の3に相当する月数
五  保険料半額免除期間の月数から前号に規定する保険料半額免除期間の月数を控除して得た月数の4分の1に相当する月数
六  保険料4分の3免除期間の月数(480から保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数及び保険料半額免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の8分の5に相当する月数
七  保険料4分の3免除期間の月数から前号に規定する保険料4分の3免除期間の月数を控除して得た月数の8分の1に相当する月数
八  保険料全額免除期間(第90条の3第1項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)の月数(480から保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数、保険料半額免除期間の月数及び保険料4分の3免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の2分の1に相当する月数
(改定率の改定等)
第27条の2  平成16年度における改定率は、一とする。
2  改定率については、毎年度、第1号に掲げる率(以下「物価変動率」という。)に第2号及び第3号に掲げる率を乗じて得た率(以下「名目手取り賃金変動率」という。)を基準として改定し、当該年度の4月以降の年金たる給付について適用する。
一  当該年度の初日の属する年の前々年の物価指数(総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数をいう。)に対する当該年度の初日の属する年の前年の物価指数の比率
二  イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率の3乗根となる率
イ 当該年度の初日の属する年の5年前の年の4月1日の属する年度における被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者(以下「被用者年金被保険者等」という。)に係る標準報酬額等平均額(厚生年金保険法第43条の2第1項第2号 イに規定する標準報酬額等平均額をいう。)に対する当該年度の前々年度における被用者年金被保険者等に係る標準報酬額等平均額の比率
ロ 当該年度の初日の属する年の5年前の年における物価指数に対する当該年度の初日の属する年の前々年における物価指数の比率
三  イに掲げる率をロに掲げる率で除して得た率
イ 〇・九一〇から当該年度の初日の属する年の3年前の年の9月1日における厚生年金保険法 の規定による保険料率(以下「保険料率」という。)の2分の1に相当する率を控除して得た率
ロ 〇・九一〇から当該年度の初日の属する年の4年前の年の9月1日における保険料率の2分の1に相当する率を控除して得た率
3  名目手取り賃金変動率が一を下回り、かつ、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合における改定率の改定については、前項の規定にかかわらず、物価変動率を基準とする。ただし、物価変動率が一を上回る場合は、一を基準とする。
4  前二項の規定による改定率の改定の措置は、政令で定める。
第27条の3  受給権者が65歳に達した日の属する年度の初日の属する年の3年後の年の4月1日の属する年度以後において適用される改定率(以下「基準年度以後改定率」という。)の改定については、前条の規定にかかわらず、物価変動率を基準とする。
2  次の各号に掲げる場合における基準年度以後改定率の改定については、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める率を基準とする。
一  物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回り、かつ、名目手取り賃金変動率が一以上となるとき 名目手取り賃金変動率
二  物価変動率が一を上回り、かつ、名目手取り賃金変動率が一を下回るとき 一
3  前二項の規定による基準年度以後改定率の改定の措置は、政令で定める。
(調整期間における改定率の改定の特例)
第27条の4  調整期間における改定率の改定については、前2条の規定にかかわらず、名目手取り賃金変動率に第1号及び第2号に掲げる率を乗じて得た率を基準とする。ただし、当該基準による改定により当該年度の改定率が当該年度の前年度の改定率を下回ることとなるときは、一を基準とする。
一  当該年度の初日の属する年の5年前の年の4月1日の属する年度における公的年金各法の被保険者等(この法律又は被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者をいう。)の総数として政令で定めるところにより算定した数(以下「公的年金被保険者等総数」という。)に対する当該年度の前々年度における公的年金被保険者等総数の比率の3乗根となる率
二  〇・九九七
2  次の各号に掲げる場合の調整期間における改定率の改定については、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める率を基準とする。
一  名目手取り賃金変動率が一以上となり、かつ、前項第1号に掲げる率に同項第2号に掲げる率を乗じて得た率(以下「調整率」という。)が一を上回るとき 名目手取り賃金変動率
二  名目手取り賃金変動率が一を下回り、かつ、物価変動率が名目手取り賃金変動率以下となるとき 名目手取り賃金変動率
三  名目手取り賃金変動率が一を下回り、かつ、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るとき(次号に掲げる場合を除く。) 物価変動率
四  名目手取り賃金変動率が一を下回り、かつ、物価変動率が一を上回るとき 一
3  前二項の規定による改定率の改定の措置は、政令で定める。
第27条の5  調整期間における基準年度以後改定率の改定については、前条の規定にかかわらず、物価変動率に調整率を乗じて得た率を基準とする。ただし、当該基準による改定により当該年度の基準年度以後改定率が当該年度の前年度の改定率を下回ることとなるときは、一を基準とする。
2  次の各号に掲げる場合の調整期間における基準年度以後改定率の改定については、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める率を基準とする。
一  物価変動率が一を下回るとき 物価変動率
二  物価変動率が名目手取り賃金変動率以下となり、かつ、調整率が一を上回るとき(前号に掲げる場合を除く。) 物価変動率
三  物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回り、名目手取り賃金変動率が一以上となり、かつ、調整率が一を上回るとき 名目手取り賃金変動率
四  物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回り、名目手取り賃金変動率が一以上となり、かつ、調整率が一以下となるとき 名目手取り賃金変動率に調整率を乗じて得た率(当該率が一を下回るときは、一)
五  物価変動率が一を上回り、かつ、名目手取り賃金変動率が一を下回るとき 一
3  前二項の規定による基準年度以後改定率の改定の措置は、政令で定める。
(支給の繰下げ)
第28条  老齢基礎年金の受給権を有する者であって66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかったものは、厚生労働大臣に当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。ただし、その者が65歳に達したときに、他の年金給付(付加年金を除く。以下この条において同じ。)若しくは被用者年金各法による年金たる給付(老齢又は退職を支給事由とするものを除く。以下この条において同じ。)の受給権者であったとき、又は65歳に達した日から66歳に達した日までの間において他の年金給付若しくは被用者年金各法による年金たる給付の受給権者となったときは、この限りでない。
2  66歳に達した日後に他の年金給付若しくは被用者年金各法による年金たる給付の受給権者となった者が、他の年金給付若しくは被用者年金各法による年金たる給付を支給すべき事由が生じた日(以下この項において「受給権者となった日」という。)以後前項の申出をしたときは、次項の規定を適用する場合を除き、受給権者となった日において、前項の申出があったものとみなす。
3  第1項の申出をした者に対する老齢基礎年金の支給は、第18条第1項の規定にかかわらず、当該申出のあった日の属する月の翌月から始めるものとする。
4  第1項の申出をした者に支給する老齢基礎年金の額は、第27条の規定にかかわらず、同条に定める額に政令で定める額を加算した額とする。
(失権)
第29条  老齢基礎年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。
    第3節 障害基礎年金
(支給要件)
第30条  障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。
一  被保険者であること。
二  被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。
2  障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから一級及び二級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。
第30条の2  疾病にかかり、又は負傷し、かつ、当該傷病に係る初診日において前条第1項各号のいずれかに該当した者であって、障害認定日において同条第2項に規定する障害等級(以下「障害等級」という。)に該当する程度の障害の状態になかったものが、同日後65歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に同条第1項の障害基礎年金の支給を請求することができる。
2  前条第1項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。
3  第1項の請求があったときは、前条第1項の規定にかかわらず、その請求をした者に同項の障害基礎年金を支給する。
4  第1項の障害基礎年金と同一の支給事由に基づく厚生年金保険法第47条 若しくは第47条の2 の規定による障害厚生年金又は国家公務員共済組合法第81条第1項 若しくは第3項 (私立学校教職員共済法第25条 において準用する場合を含む。)若しくは地方公務員等共済組合法第84条 若しくは第85条 の規定による障害共済年金について、厚生年金保険法第52条 又は国家公務員共済組合法第84条 (私立学校教職員共済法第25条 において準用する場合を含む。)若しくは地方公務員等共済組合法第89条 の規定によりその額が改定されたときは、そのときに第1項の請求があったものとみなす。
第30条の3  疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下この条において「基準傷病」という。)に係る初診日において第30条第1項各号のいずれかに該当した者であって、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害(以下この条において「基準障害」という。)と他の障害とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が二以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であるときに限る。)は、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。
2  第30条第1項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、同条第1項ただし書中「当該傷病」とあるのは、「基準傷病」と読み替えるものとする。
3  第1項の障害基礎年金の支給は、第18条第1項の規定にかかわらず、当該障害基礎年金の請求があった月の翌月から始めるものとする。
第30条の4  疾病にかかり、又は負傷し、その初診日において20歳未満であった者が、障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日において、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に障害基礎年金を支給する。
2  疾病にかかり、又は負傷し、その初診日において20歳未満であった者(同日において被保険者でなかった者に限る。)が、障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日後において、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日後において、その傷病により、65歳に達する日の前日までの間に、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に前項の障害基礎年金の支給を請求することができる。
3  第30条の2第3項の規定は、前項の場合に準用する。

最高裁平成19・8・28
 1 (1)国民年金法(平成元年改正前のもの)が,同法7条1項1号イ(昭和60年法律第34号による改正前の国民年金法7条2項8号)所定の学生等につき,国民年金の強制加入による被保険者とせず,任意加入のみを認めることとし,これに伴い上記学生等を強制加入による被保険者との間で加入及び保険料納付義務の免除規定の適用に関して区別したこと,及び(2)立法府が,平成元年法律第86号による国民年金法の改正前において,上記学生等につき強制加入による被保険者とするなどの措置を講じなかったことは,憲法25条,14条1項に違反しない。
2 立法府が,平成元年に国民年金法の改正前において,初診日に同改正前の同法7条1項1号イ(昭和60年改正前の国民年金法7条2項8号)所定の学生等であった障害者に対し,無拠出制の年金を支給する旨の規定を設けるなどの措置を講じなかったことは,憲法25条,14条1項に違反しない。


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