築30年とか40年の木造。
いつも困ってしまうのは、『木造』ってものが一般の人々にはよく理解されていないことにある。
木造建築は日本の伝統的なものに思われているかもしれないが、
1300年の法隆寺と庶民の町家では作りがまったく違う。
方や国家事業、方や貧乏長屋である。
「ケンカと火事は江戸の華」と言われた時代、
火事が起こるとそれが延焼していかないために、
「め組」とか火消しの鳶さんたちは、
風向きを読みながら、建物を壊して潰していった。
庶民の家なんていうのは、すぐ壊せる程度の作りの木造なのである。
その後もこの数十年前まで、大して変わらない方法で、
筋交の無いグラグラの家が当たり前に建てられてきてた。
「建物は壊れてもいいけど、最低でも人間の命だけは守れるように」
という耐震基準になったのは1981年のことである。
そんなわけで、築年数の古い木造をお化粧直しのリフォームでは済ませてしまうのはホントに怖い。
(世のリフォーム業者は平気で「大丈夫ですよ!」とか言うらしいが・・・)
ガッチリ補強をしたいところだが、それにはそれなりの費用が掛かる。
長年住み慣れちゃってるクライアントに耐震云々を理解してもらうのもけっこう難儀なこと。
かといって関わった以上は最善を尽くしたい。
古い家のリフォームはホント悩ましいのですよ・・・。
このコラムの執筆専門家
- 須永 豪
- (長野県 / 建築家)
- 須永豪・サバイバルデザイン
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森や山と人、地球が健全に回っていく様子を見届けたい。 木を街に届け人の営みに森をもたらし木が、森が、地球が、生命が、人が、そして星々や宇宙までもが響あいはじめるそんな木の建築空間宇宙の意図が起動する響きあう木の空間をつくろう
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