このたび金融庁が金融機関向けに、新しい監督・検査方針を発表しました。これまで金融危機への対応のため不良債権処理を迫った方針を転換して、中小企業に対しては、金融機関が独自に査定することを認めるようになります。今後は、開業資金に対する融資も、大きく転換されることが予想されます。
よく起業を目指す人から、「開業資金に関しては銀行融資をあてにしています」と言った発言を聞きます。メガバンクと呼ばれる都市銀行や地方銀行など、資金を貸し付けることを業務としているはずの大手銀行は、100%新規の起業資金を貸し付けることはありません。
辛うじて相手にしてくれるのが信用金庫です。新規ではなく、それまで何らかの取引のあることが必要ですが、信金は起業への開業資金を貸してくれることがあります。ただ、銀行とは違って貸し出し金利は高いです。利益が少ない開業して間もない起業にとって、金利の高い金融機関はつらいです。
金利が低いのは金融公庫です。こちらは、国が個人事業者や小企業を対象に資金を貸し付ける目的の機関ですから、安い金利で開業資金を貸し付けてくれます。ただ、事前審査が厳しいことは覚悟が必要です。貸付条件の中には無担保のプランもありますが、自己資金、事業経験、事業計画など求められます。
金融庁の方針転換だけで、起業する人や小企業経営者の資金繰りが急に楽になるとは思えません。ただ、全国の多くの自治体でビジネスコンテストが開催され、起業家向けオフィスの設立が相次ぎ、資金面でも金融機関の融資が受けやすくなりますと、起業に対する空気は間違いなく追い風に変わってきます。
【一言】
半年くらい前までは、金融公庫に融資を頼みに行って、断られるケースがとても多かったです。一応、自己資金を一定額用意して、起業するビジネスの経験も積み、事業計画書を作成した上で担当者との面談に臨むことになります。開業資金作りに関して、わたしはあまり詳しくないですが、今後の起業には大きな影響のありそうな、金融庁の方針転換と思われます。
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