「すみません・・・今日は目標の売上げ、行かなかったんです・・・」
「まあ、それは残念ね。ところで、今日は本気で仕事した?」
「はい、もちろん本気で仕事しました!」
「なら良いんじゃあない。本気で仕事をしたのならば、明日に繋がるわよ!大丈夫!今日は火の元きちんとチェックして気をつけてお帰り。お疲れ様。」
「はい、ありがとうございます。明日も本気で顔晴ります!失礼します!」
この、あるチェーン店のスーパーバイザーは、日頃から、売上げが悪かったり、お客様の満足度調査の結果が今ひとつでも、それに対して目くじらを立てて叱ったりはしません。求めることは、「本気で仕事すること」いつも本気を出しているのならば、必ず結果に結びつくそう信じているそうです。だから、手を抜いたりだらだら仕事をしたりしていたら、厳しく叱ります。
今年の春から担当したある店舗では、毎日毎日こういう会話だけをしてきたそうです。もともと、前任のスーパーバイザーが放任型の仕事をしていたようで、マイペースな店長達ばかりでした。明確な目標を持つわけでも無く、お客様に満足して頂きたいと言う気持ちも中途半端な状態でした。
そんな店長達に、ガミガミ言っても抵抗感を持たれるだけ。なので、徹底的に「本気」だけを求めてきたのです。
でも、この「本気」って・・・とても抽象的な言葉です。数値化されるわけでも無いので、目標にも出来ません。「本気」かどうかは、当の本人の意識でしか無いのです。しかも、その基準はひとによってバラバラ・・・それでも良いとこのスーパーバイザーは言います。
なぜならば、バラバラで不明確だからこそ、その本気は「天井知らず」になるはず。しかも、本気で仕事したかどうかは本人には良くわかっているはず。だから、いつもそこだけを求めていったら、次第に「本気度」は増えていくはず、そう信じて言い続けたそうです。
目標は数値化すべき、と考えていた私は、最初、この話を聞いたとき不思議でなりませんでした。今時そんな気合いと根性のような話が通じるのか?とかなりいぶかしげに聴いていました。しかし、3ヶ月後の結果は、私の懸念を完全に払拭する素晴らしものでした。売上げもお客様の満足度も急上昇したのです。
当初、私は、このスーパーバイザーは精神論で仕事をするんだろうか?と心配したのですが、同じ精神論でも彼女の精神論は、ステージが違いました。
私は、「店長が本当は本気で仕事をしたい」と思っているのを信じている
だから、「店長が自分で気がつくまで問いかける」
そして、「店長が自分でやると言うまで待つ」
彼女は、この3つのポリシーに何の疑いも持っていないというのです。
自分が過去、店長をしていたときに、いくら頑張っても数字が、結果がついてこなかったら誰も自分の頑張りを認めてくれなかった・・・必死だったのに、認めてくれなかった。悔しかった・・・そんなすぐに結果って出ないのに・・・
だから、自分がスーパーバイザーになったら、まず信じよう!と心に誓っていたんだそうです。
見事な覚悟ですね。おそらく、彼女の上司が彼女をそこまで信じているかどうかは定かではありませんが、こういう現場を心から信じているスーパーバイザーがいる会社は、強いですね。今後の彼女の担当店舗の成長が楽しみです。
「相手軸!相手軸!」
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