ひとは「目的」に向かう・・・
プロセスを評価するとプロセスが「目的」になる
悲しいかな、被評価者という立場は、評価者が何を評価するかを強い関心を持って見ています。そして悲しいくらい素直に評価者の関心に向かって動きます。彼らは自分の評価が一番高くなる方法に向かって本能的に前進するのです。
「部下の成長が会社の業績を向上させる」ことを知っている経営者(評価者)は、目標を達成させるプロセスで「人材を育成し」「顧客の満足度を向上させ」「売上を上げる」ことが、「利益という最終業績」に繋がることを理解しています。だから、「業績向上」の為に「プロセス」を重要視します。
私もそう考えています。プロセスに徹底的にこだわることが、ひとを育て、その結果お客様が満足し、売上げと利益に繋がると信じています。
しかし、それのプロセスを「個人の業績」として評価するとなると、少し様相が違ってきます。個人は評価されるものに関心が強まりますから、プロセスを評価されるとなるとプロセスを頑張るようになります。これは非常に優れた評価システムのように見えます。
しかし、この優れた評価システムの問題点は、最終的な業績評価である「利益」とプロセス評価である「売上」「顧客満足」「人材育成」を一緒に評価してしまうところにあります。
例えば、評価項目全体で100%とすると、顧客満足を40%、人材育成を30%にして、プロセスを頑張らせようと経営者は考えたとします。かなり戦略的な配分です。ところが、売上げと利益の評価は残り30%しかありません。結果、顧客満足も高くなり、スタッフも育ってきているのに、売上げは未だ上がってきていない、もちろん利益も未だ低迷している・・・・でも、70%の評価割合で評価されると、この店長の評価はかなり高くなってくるのです。
この評価システムはかなり進化した高度なシステムです。多くの企業は未だこのレベルに到達出来ていません。しかし、この高度なシステムでのこのような矛盾が生じてくるのです。
このような矛盾が生じる原因はいくつかありますが、そのひとつは「売上は顧客満足によってのみ影響される」と思い込んでいる点にあります。売上げと顧客満足の相関関係はかなり高いということは私も否定は致しません。正しいと思います。しかし、売上げは顧客満足だけでは構成されていないのです。
このブログを長く読まれている方には、既におわかりだと思いますが、売上げ(客数)とは、商圏内に存在する「潜在顧客」を店舗が持つ「集客力」で集めてきた結果です。その「集客力」は「顧客満足」以外に商圏や立地、顧客特性、動向、動線、認知、販促、価格、商品などが総合的に影響されています。
私が、エリアマーケティングの専門家としての視点から「業績評価」をしつこく語るのは、現在の評価システムの矛盾点をクリアーにしてよりフェアな評価システムを世に広めたいからなのです。
詳しくはまた明日。
いつもお読み頂きありがとうございます。
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