有期雇用契約の雇止め、労働契約法19条 - 労働問題・仕事の法律全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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村田 英幸
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閲覧数順 2016年12月09日更新

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有期雇用契約の雇止め、労働契約法19条

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有期雇用契約の雇止め

 

労働契約法

 

(有期労働契約の更新等)

第十九条  有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。

 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

 

 

労働契約法19条1号は、実質上雇用期間の定めのないのと同視できるタイプで、東芝柳町事件が典型である。

最高裁昭和49・7・22、東芝柳町事件

電気機器等の製造販売を目的とする会社が、契約期間を2か月と記載してある臨時従業員としての労働契約書を取りかわして入社した臨時工に対し、5回ないし23回にわたって労働契約の更新を重ねたのちにいわゆる傭止めの意思表示をした場合において、右臨時工が景気の変動による需給にあわせて雇用量の調整をはかる必要から雇用された基幹臨時工であって、その従事する仕事の種類、内容の点において本工と差異はなく、その採用に際しては会社側に長期継続雇用、本工への登用を期待させるような言動があり、会社は必ずしも契約期間満了の都度直ちに新契約締結の手続をとっていたわけでもなく、また、従来基幹臨時工が2か月の期間満了によって傭止めされた事例は見当たらず、自ら希望して退職するもののほか、そのほとんどが長期間にわたって継続雇用されているなど判示の事情があるときは、右傭止めの効力の判断にあたっては、解雇に関する法理(解雇権濫用禁止法理)を類推すべきである。

 

 

労働契約法19条2号は、更新に合理的期待があるタイプで、日立メディコ事件が典型である。

最高裁昭和61・12・4、日立メディコ事件

当初20日間の期間を定めて雇用しその後期間2箇月の労働契約を5回にわたり更新してきた臨時員に対し、使用者が契約期間満了による雇止めをした場合において、右臨時員が季節的労務や特定物の製作のような臨時的作業のために雇用されるものでなく景気変動に伴う受注の変動に応じて雇用量の調整を図る目的で雇用されるもので、その雇用関係はある程度の継続が期待されていたものであり、右雇止めの効力の判断に当たっては解雇に関する法理を類推すべきであっても、独立採算制がとられている工場において、事業上やむを得ない理由によりその人員を削減する必要があり、余剰人員を他の事業部門へ配置転換する余地もなく、工場の臨時員全員の雇止めが必要であるとした使用者の判断が合理性に欠ける点がないと認められるなど判示の事情があるときは、期間の定めなく雇用されている従業員につき希望退職者募集の方法による人員削減を図らないまま右臨時員の雇止めが行われたことをもって当該雇止めを無効とすることはできない(雇止めが有効とされた)。

 

有期契約の実態を判断する要素

1、業務の客観的内容

従事する仕事の種類・内容・勤務の形態

2、契約上の地位

契約上の地位の基幹制・臨時性

3、当事者の主観的態様

継続雇用を期待させる当事者の言動・認識の有無・程度

4、更新の手続・実態

契約更新時における手続の有無・時期・方法、更新の可否の判断方法

5、他の労働者の更新・雇止めの状況

6、勤続年数・年齢等の上限の設定

 

 

なお、原則として更新がなく当然に終了するタイプの有期雇用として、非常勤講師がある。最高裁平成2・12・21(大学講師)、最高裁平成3・6・18(予備校講師)

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