- 塚本 有紀
- フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
- 大阪府
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
料理講座で、「ますの卵」を使いました。いくらの小型版といったところ。
この素材を使うたびに思い出すのは、昔むかし、20年以上も前に行ったパリ旅行でのこと。
それは初めてのパリでした。ご多分に漏れず、シャネルご用達「アンジェリーナ」に友人とともに行ってみました。モンブランがとても有名なサロン・ド・テです。
ちょうどお昼だったので、トーストを頼むことに。
メニューを見て、ぱっと目に付いたのは
「スモークサーモンとスクランブルエッグのトースト」。
おいしそう! 注文してみました。
しばらくして「さあ、どうぞ! Voila!」
と目の前に置かれたのは・・・
なんとそれは、いくらが一面にのせられたトースト!
「え、頼んでませ・・」
ん、と言いかけて、はっと気がつきました。
今にもましてフランス語がおぼつかなかった頃のころ
私は勝手に「卵とサーモン oeuf et saumon」つまりスクランブルエッグとスモークサーモン
だと思い込んだのですが、それはじつは
「サーモンの卵 oeufs de saumon 」
だったのです。自分の思い込みの激しさにも驚きましたが、何よりびっくりしたのは、トーストにいくらを乗せるという発想です。
あまりのおもしろさにうけてしまい、しばらく二人で下を向いて笑っていました。味がどんなだったか、記憶はまったくなかったのです。
そして今回、ますの卵が余ったので、再現してみようかと思い立ちました。
トーストを焼き、バターをたっぷり塗って、ますの卵を広げました。
フランス人はあのぷちぷちっとした、口の中ではじけるような食感があまり好きでない・・と聞いたことがあります。しかしトーストにいくらって・・いくらなんでもヘンな組み合わせ。
食べてびっくり。とてもおいしいのです。バターの風味と塩気があいまって、なんともおいしい。キャビアをブリニにのせて食べる感覚に似ています。魚卵ですから、考えてみたら似ているのも当たり前。
想像以上のおいしい組み合わせでした。充分アリ!
次回、何かの折りに講座でお出ししたいと思っています。乞うご期待。
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