連帯保証人と相続について
義父が亡くなったのですが、仕事関係で連帯保証人になっている可能性があります。ただ遺言もなく状況が分からず、遺産を相続すべきかどうか家族で悩んでます。そうした場合、
?何かしらの連帯保証人となっているかどうか調べる方法はあるのでしょうか?(自宅には義父が銀行から借りた借入金の証書しか見当たりません。それらの証書は返済完了済のものだけでした。)
?もし何かしらの連帯保証人となっていた場合、限定承認や相続放棄をすれば、法廷相続人はその連帯保証人の責任から逃れられるのでしょうか?
?もし限定承認の措置をとった場合、それらに関わる費用と期間の目安はどれくらいでしょうか?
くらそのさん ( 愛知県 / 男性 / 33歳 ) | 2008/04/15 01:49
連帯保証人と相続 相続放棄と限定承認
最初のご質問ですが,可能性があると思う金融機関に照会すれば,その金融機関における情報についてだけは回答を得ることはできますが,残念ながら完全に調べる方法はありません。
次のご質問ですが,相続放棄をすれば責任を完全に逃れられます。限定承認に関しては,相続財産の額の限度で責任を負うことになります。具体的には,相続財産ですべての債務を弁済できなければ,何の責任も負わないですし,すべての債務を弁済できれば,残りを相続することが可能です。
三番目のご質問ですが,期間は最低でも通常1年程度はかかりますし,複雑であればそれ以上かかることもあります。また,費用は,申立てを自分たちだけで行えばほとんどかからないのですが, 弁護士に委任しないで行うのは困難です。弁護士に委任した場合は,個々の弁護士によりますが,最低でも30万円程度は必要と思います。(相続財産が非常に多数に及んでいたり非常に多額であれば,数100万かかる場合もあると思います。相続財産の総額や事務の量によりまちまちであり,一般的な目安というものはありません)
また,限定承認後の相続財産管理についても,自分で行うのは困難であるため,通常弁護士が事務を行います。その費用も上記と同じ程度は必要かと思います(但し,相続財産の中から支払われるため,債務が多額であれば必要ありません)。
このように限定承認には非常に時間と費用がかかる使いづらい手続きです。
まず,限定承認するかどうかを決めるべき熟慮期間の3月は延長できますので,延長の上,関係者に話しを聞くなどして,調べるだけ調べるべきです。その上で,不明である場合どうするかですが,限定承認も一つの手段ですが,将来多額の連帯保証債務を請求された場合には破産が可能な財産を持っていない人間だけが相続し,残りの人が放棄するという方法を取ったこともあります。
難しい状況ですが,参考になさってください。