小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「就活でタイミングを逸するパターン」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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就活でタイミングを逸するパターン

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え 2012-02-20 06:00

  先日、ある会社の新卒内定者向けの研修をやりました。「他の友達はどんな感じなの?」と聞くと、まだまだ決まっていない人がたくさんいるとのこと。やっぱり厳しいなあと思います。


  内定者のいろいろ話を聞いていて興味深かったのは、就職が決まっている彼ら彼女らは、まだ決まっていない周りの友人たちがなぜ決まらないのかについて、それぞれ感じている理由があるようで、「初めから諦めていた」「やる気がなかった」という仕方ない理由とともに、「肝心な時期に活動していなかった」「途中で志望を転換した」など、タイミングを逸したことを原因に挙げる人が多かったことです。厳しい環境ゆえに敗者復活がしにくくなっていて、その時は深く考えていなかった少しのタイミングのずれが、後々で致命傷になっているケースも多いようでした。


  就活はちょっと見方を変えると、「自分」という商品が高く売れそうな会社、買ってくれそうな会社という市場を見つけて商談をまとめるということなので、まさに営業とかマーケティングの話と同じだと思います。

  こんな観点で考えると、就活がうまくいかない人は、「市場調査(=自己分析)をしているうちに他社(=他者)に受注(=内定)された」「営業件数(=訪問社数)を稼いだが、どこも購買意欲が低い(=採用数が少ない、採用基準がやたら高い)ので、受注(=内定)できなかった」など、戦略を誤ったというように見えます。

  売れそうもないマーケットに向けて必死に営業をかけ、うまくいかないからとターゲットを変えてみたものの、そこにはすでに他社の商品が行き渡っていた、または他社が売り込みをかけていた時期に市場調査や商品開発をしていて出遅れた、なんていう例と同じです。タイミングを逸して致命傷を負ってしまう理由の一つではないでしょうか。


  良く言われる就活のアドバイスとして、「しっかり自己分析して、できるだけ多くの企業を回りなさい」なんてことがあります。確かに多くの企業とコンタクトできればマイナスはありませんから、これ自体は全く正しい事でその通りだと思いますが、特に就活のようなごく限られた時間の中では、コンタクトできる会社の数に限度があります。ただ数を撃つだけでなく、確率が高いところに効率よく撃つ必要があります。


  また就活中の皆さんは、一生懸命自己分析をして、その中でこんな仕事に就きたい、こんな会社に入りたいと考えるでしょう。この自己分析はとても大事ですが、そのように内向きに自分のことだけを考えるのではなく、「商談成立の確率が高い相手をいかに効率よく探し出すか」、つまり「自分を認めてくれる可能性が高い会社に、いかに早く効率よく巡り合うか」という作戦も重要になります。外向きに相手を知ることも必要です。そのような意識も持たなければ、タイミングを逸したり、立て直しが効かなくなる危険性が高くなってしまいます。


  「私は何をやりたいか」という自分目線だけでなく、「自分はどこでなら評価されるのか」「自分が必要とされる場所はどこにあるのか」「人は自分に何をやらせたいと思うのか」という相手目線も考えて頂き、タイミングを逸するパターンに陥らないように注意して頂きたいと思います。そして就活中の皆さんが、1人でも多く良い結果が得られることを願っています。


   ちなみに、私の周りには新卒を採用する気満々の、優良な中小企業がいっぱいあります。残念ながらそれぞれの知名度は低いし、採用枠も小さいので、情報は目につきづらいですが、是非そんな会社にも目を向けて頂ければと思います。


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