小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ慣れているがゆえの思い込み
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今回は若干こじ付けの軽いお話です。
私より一回り以上年上の大先輩2人と、同世代の仲間2人と私の合計5人で神田(東京)で飲みました。
はじめは「神田らしいガード下の店で」という事だったのですが、夕方5時になったばかりというのにお店は満席。(神田は飲みのスタートが早い!) 他に行先のあてがなく、仕方なく行ったチェーン店の居酒屋は、隣の個室のカラオケが丸聞こえでうるさかったりして全く落ち着けず、おまけに2時間で追い出されてしまうというよろしくない状況。
とりあえずもう一軒行こうと店を探して歩いていると、なんと目の前にいかにも神田らしい居酒屋があるではありませんか。どうも「神田らしい店 = ガード下」という固定観念と完全な思い込みで、周辺にいっぱいある元々行きたかったスタイルのお店に目が行っていなかったようです。(そのお店のおかげで、大先輩お二人はご機嫌でお帰りになりました)
今まで知っている土地も知らない土地も、いろいろな所でお店探しをしてきて、そういう意味ではみんな慣れているはずなのに、逆に慣れていて中途半端に知っているために、その場所のことを勝手に思い込んで視野を狭めてしまっていたということです。
「思い込み」というのは誰でも持ってしまうもので、自分なりに注意もしていると思います。それが、「慣れているがゆえの思い込み」となってくると、より一層、ものすごく自覚しづらいものだなぁとあらためて感じました。
仕事でもプライベートでもそうですが、経験を積んで知識があって、ベテランという状態になればなるほど、「思い込み」というのは助長され、なおかつ気づきづらくなるように思います。ベテランともなれば、人から指摘されることは基本的にはほとんど無くなりますから、自分で気づけるだけの感性を持てるかどうかが、本当に重要になってきます。
自分の専門分野、得意分野、知識豊富な分野、興味を持っている分野であるほど、その道のベテランと言われる人ほど、「思い込み」には注意しなければと思います。私も人事の専門家として、肝に銘じなければと思いました。
事例が些細な飲み会の一件で申し訳ないですが、せめて学びが得られるように、ちょっと真面目に考えてみました。(でも飲み会においては、きっとまた同じようなことが起こる気がしますが・・・)
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