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小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ
(
東京都 / 経営コンサルタント
)
ユニティ・サポート 代表
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採用活動−会社も謙虚さを忘れてはいけない
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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集
私の思い・考え
2009-09-28 00:15
私も採用活動の現場を近くで見ているので、最近の厳しい状況は目にしています。心情的にはみんなを何とかしてあげたいけれども、それぞれの企業体力には限度がありますから、なかなかそうはいきません。
企業側としては絞られた採用数の中で多くの応募者が来ますから、俗に言う「厳選採用」ということになります。採用基準を維持してその水準に達する者だけをしっかり選ぶということですが、私はそういう時ほど、特に採用担当者は気をつけなければならないと思っていることがあります。それは相手に対するリスペクト、謙虚な姿勢を忘れてはならないということです。選ぼうという考えが強くなればなるほど、「人を選別する」ということに慣れてしまい、自分が一段上の立場と錯覚してしまいがちになるからです。
応募者の中には、もちろん誰が見てもきわめて優秀な人というのは確実に存在しますし、反対に誰が見ても無理という人も少数はいるでしょうが、企業が採用しようとする多くの人は、良い所も悪い所もあるごく普通の平均的な人たちです。その人たちのちょっとした個性の違いやわずかな能力の違いで合否を決めています。最後は総合判断と称して個人的な好き嫌いまで含めた判断をすることもあるくらいですから、単純明快に誰でもわかる基準で採用の合否を決めている会社はほとんど無いはずです。その程度の採用基準の中で選別しようという考えが強ければ、その人の良さを見るというより粗探しの要素が強くなり、そんな事を続けていると、無意識であってもいつの間にか応募者を一段下に見るようになってしまいがちになります。
本来採用活動は、募集する企業側と応募者側がイーブンな立場で行われることがベストだと思いますが、実際には市場原理で片方の立場が強くなったり弱くなったりします。そのために発生するミスマッチもあります。とても不幸なことだと思います。現在採用活動に携わっている方は、今のような時期だからこそ自分の立場を錯覚せず、応募者の立場を慮った上で仕事に励んで頂きたいと思います。
最後に今就職活動されている方に対してですが、なかなか内定が得られないからといって人格を否定されている訳でもなく、合否の分かれ目は前述のようにほんのちょっとした違いだけです。自分が必要とされる場所は必ず有るはずですから、悲観せずに取り組めば必ず良い結果が得られると思います。情勢は常に揺れ動いているので、気長に幅広くという姿勢が重要なのかもしれません。
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