小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「リスクへの向き合い方のいろいろ」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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リスクへの向き合い方のいろいろ

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え 2019-04-16 08:00

 このところ、リスクマネジメントについて書かれた記事をいくつか読んでいました。

 やはり、投資にまつわる話が多いのですが、こういう世界の格言のようなものとして、「卵はひとつにカゴに盛るな」という言葉があるそうです。


 卵をひとつのカゴに入れておくと、もしもそれを落としたらすべて割れてしまいますが、複数のカゴに分けておけば、ひとつを落としてもほかのカゴは残るので、被害を最小限に抑えられるということで、投資対象、時期、銘柄などを複数に分けて投資する「分散投資」を勧める言葉だそうです。


しかし、「卵はひとつにカゴに盛れ!」と書かれているものもありました。

 リスクを分散するということは、その分リターンが少ないということなので、投資の絶対額が大きい資産家にしか当てはまらないことであり、少額の投資で収益を得たいならば、投資対象を見極めて「集中投資」すべきだということです。

 これと同じようなニュアンスで、「卵は一つのカゴに盛り、そのカゴをよく見守れ」という言葉もありました。


 これを企業に関係があることに置き換えると、「事業の柱をいくつか作る」「顧客先を増やす」「商品やサービスの多角化」「グローバル展開や国際分業」などは、どちらかというと分散投資に近い考え方でしょうし、その一方では、「選択と集中」などということも言われ、これは集中投資のイメージになるのでしょう。


 結局はその時その時の状況判断のもとに、集中投資と分散投資のバランスを取りながら組み合わせていく必要があるということで、それはどんな経営者でも、理解していることであるはずです。

 それでもうまくいったりいかなかったりするのは、リスクを負った事業投資である限りは当然であり、そのバランスが取れなくなれば、会社は倒産してしまいますから、それゆえに経営は難しいのだと思います。


 リスクというのは、一般的には「危険性」という捉え方をされますが、結果が予測しにくいという「不確実性」や、変化があり得るという「変動性」の意味もあります。

 ここからすれば、リスクが高いと言えば不確実で変動幅が大きいということ、逆にリスクが低いということは、確実性があって変動幅が低いということです。


 リスクを取るということは、プラスとマイナスの両方の可能性を受け入れるということになりますし、マイナスのリスクを避け続ければ、リターンの可能性も限りなく少ないということになります。

 新規事業など、新しい取り組みには必ずリスクがありますから、ただリスクを避けるというよりは、そのリスクを受け入れて最小限にとどめる方法を考えることが、リスクマネジメントとしては必要なことです。


 読んでいた記事の中に書かれていたことですが、日本人は、「勝ったら3万円もらえて負けたら1万円払う」など、リスクの3倍以上のリターンが見込めるような条件でなければ、投資に参加しようとせず、積極的に動かないのだそうです。


 投資という考え方をとれば、「安全であることが最善ではない」とされ、リスクとリターンはセットになっています。リターンを得たければリスクを受け入れる必要があり、リスクのない行動からは価値が生まれません。


 決してむやみに仕掛けるものではないと思いますが、ビジネスをしていく上では、こういうことも心得ていなければならないとあらためて思います。



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