小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「「チンパンジーは激しい競争から“攻撃性”を持った」という話で思ったこと」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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「チンパンジーは激しい競争から“攻撃性”を持った」という話で思ったこと

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 目に留まった事 2018-10-02 08:00

 ある新聞で、“チンパンジー”とその近縁にあたる“ボノボ”に関する性格の違いについて書かれている記事を見ました。

 

 見た目はそっくりですが、チンパンジーはオスを中心とした集団で強い攻撃性が見られ、順位が1位のボスが仲間のオスに殺されたり、他の集団を攻撃してそのメンバーを殺害したりという「戦争行為」をするそうです。

 一方ボノボでは、そのような例は疑わしいものが1つあるだけで、攻撃性はほとんど見られず、オスとメスが対等な営みを築く「平和主義者」なのだそうです。

 

 この違いには、諸説ある中で、結局「生まれつき」という説が有力だそうで、生殖に関わることが大きな理由ではないかとのことです。

 これはチンパンジーの場合、メスの発情期間が短いために、オスは交尾の機会を巡って激しい競争にさらされるのに対し、ボノボの場合は発情期間が長く、交尾や挨拶行動を通じてオスとメスがお互いの緊張を和らげるため、争う理由が少ないためではないかということでした。

 

 私はこの“競争”という部分について、つい企業の中でおこっていることに重ねてしまいます。

 事業は企業同士の競争ですし、今は市場がどんどん拡大する状況ではありませんから、当然競争は激しくなります。

 多くの会社で取り入れられている“成果主義”も、組織内のメンバー同士を競争させる仕組みです。その程度は会社によっていろいろでしょうが、仲間で激しい競争を求められることもあるでしょう。

 

 そもそも資本主義の考え方自体が競争原理ですから、当然厳しい競争にさらされるわけで、今の技術の進歩や経済発展、人々の生活向上は、競争があったからこそという面があります。

 その一方、競争をすれば必ず勝者と敗者に分かれます。全員がいいとこ取りにはなりません。競争に勝たなければ自身の生活がおびやかされるとなれば、何としても勝たなければならないと考え、そこにある種の「攻撃性」が出てくることもあるでしょう。

 競争の激しさが増すということは、そこに関わる人々の攻撃性も増すということですが、最近はいろいろな場面でこの傾向が強まっていることを感じます。


 ただし、最近はこれとは少し違う方向の動きもあります。

 例えば20代、30代を中心に、社会起業家といわれるような経営者がいます。事業活動の形は取りますが、その成功による社会貢献を目的としており、自社の利益や報酬より、社会を変えることに意義を見いだす活動です。

 周りよりも上を目指すという競争よりも、共助や共存、協調という要素を重視しています。

 

 切磋琢磨という意味では競争が必要ですが、この行き過ぎは他者に対する「攻撃性」につながります。かつて行き詰まった旧来の成果主義も、競争をあおり過ぎた結果です。

 その一方で、ただ共助、共存、協調といったことばかりを強調しすぎると、それは馴れ合いや甘え、依存体質といったことにつながります。それは決して望ましい形とはいえません。

 

 やはり競争と協調の間には、バランスが必要です。

 チンパンジーやボノボには難しくても、人間であれば競争と協調のより良いバランスを見つけることができるはずです。

 

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