小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「目につくことが増えた「“権威”を振りかざす人」」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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目につくことが増えた「“権威”を振りかざす人」

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え 2018-07-31 08:00

 ある飲食店でのお昼時のこと、60代くらいの初老の男性が、「生ビール!」との注文です。アルバイトと思われる店員さんが「大きさはどうされますか?」と尋ねると、この人は「普通の!」と言います。

 

 「グラスですか?ジョッキですか?」「だから普通の!」という変なやり取りがあった後、このお店にはランチビールのメニューがあるらしく、お店の人がそれを出したところ、「普通と言ったら中ジョッキに決まってるだろう!」とのクレームです。

 その後も、何かを注文しては、ああでもないこうでもないと文句を言っています。本人は「教えてやっている」という態度で、店長とアルバイトの人がかわるがわる対応しています。

 

 私はこういう人にはついつい口出ししたくなってしまうので、火に油とならないようにぐっと我慢して聞いていましたが、結局はただ文句を言って絡みたかっただけとしか思えませんでした。店員さんが反論しないことを見越したような態度を腹立たしく思いました。

 

 最近は、ツイッターなどで発覚する土下座の強要騒ぎなどをはじめとして、“権威”を濫用するような光景を目にすることが増えた気がします。

 目につくのは、店員と顧客のような関係の中で、顧客の側が一方的な主張をする場面ですが、そこまで露骨でなくても、ビジネスの場面でも同じような“権威”の嫌な使い方を見ることがあります。

 

 ある知人の会社ですが、堅い業種の某大手有名企業から、すでに合意したはずの契約条件について、契約直前に一方的な変更依頼をされたことがありました。有無を言わさない内容で、「下請けいじめ」「下請けたたき」と言われても仕方がないレベルです。

 もっと日常的なことでは、部下の意志を無視した一方的な指示命令、退職の強要やパワハラのような問題も、“権威”を振りかざすという意味では同じです。

 

 “権威”を振りかざす人から感じることが三つあります。

 「お互いの上下関係に敏感であること」「支配欲が強いこと」、そして「本当の意味で自分に自信がないこと」です。

 

 自分よりも下と見れば強い態度で支配しようとし、自分よりも上には、媚びたり取り入ったりしようとします。下にはたいした説明もせず強引に、上には面従腹背で影口を言ったりはしますが、直接意見を述べようとはしません。

 人望が足りず、自分の考えに理解を得る自信がないので、言うことを聞かせるために“権威”に頼ります。「社長が・・・」「会社が・・・」など、他人の権威を使って説き伏せようとすることもあります。

 

 “権威”を振りかざすことには、様々な理由があると思います。中にはやむを得ない事情もあるでしょう。もしそうだとしても、私は仕事をする相手として、そういう人を絶対に信用しません。

 “権威”を振りかざす人は、自分の立場を相対で捉えるので、相手が誰かということや、その場の力関係の状況によって、言動や態度が一貫しないからです。相手をしたと見たとたんに態度が豹変したりします。

 

 “権威”を振りかざす人は、「Win-Winに鈍感な人」とも言えます。自分中心の相対で物事を判断するので、お互いが良くなるための“Win-Win”への道筋が考えられません。結果として誰からも信頼されず、その人が関わる仕事はうまくいきません。

 

 いくら“権威”を振りかざしても、“Win-Win”にならない関係の中でのビジネスは、絶対に成功しないと思います。

 

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