小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「なぜ派遣や契約社員で不当な扱いが起こるのか」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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なぜ派遣や契約社員で不当な扱いが起こるのか

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え 2008-07-07 00:00
 最近、派遣や契約社員の不当な扱いについての質問を受けることがとても多いと感じます。それほどトラブルが多いということだと思います。

 私は、もっぱら企業側で派遣社員などを受け入れる立場でした。来てもらっている人にはできるだけ働きやすい環境にしたい、分け隔て無くコミュニケーションを取るようにしたいと意識はしていましたが、今思えばやはり正社員とは違う感覚で接していたと思います。
 一番大きいのは遅かれ早かれいずれいなくなる、またはいなくなる可能性の高い人だということです。実際にも事情はいろいろでしたが、一定期間で関係が途切れることがほとんどでした。そう考えると今持っているスキルを発揮してもらうことが主になり、継続的にスキルアップを支援する対象ではないということになってしまいます。また派遣では事前面接が禁じられていたりすることもあって、受け入れ時には基本的にノーチェックに近いのですが、これもスキル不足だったり使いにくかったりすれば契約を打ち切れるという条件があってこそということになります。
 業務上ではドライな関係にならざるを得ず、雇用関係でも安易に雇って安易に切り捨てられる仕組みになっています。おかげで雇用機会が増えたという面は確かにあるでしょうが、残念ながら働く環境が悪化したという側面の方が強いように思います。

 ではどうすれば良いのか、一言では言いづらいのですが、私は人を雇うということでの責任は、例えば自社で働く人の最低限の生活を守るということでは正社員、派遣社員、契約社員にかかわらず同じようにあると思いますが、今のままではやはりアンバランスであると思っており、不安定雇用での労働者のリスクに対して、企業側のコスト負担が少ないのではと感じています。
 非正規で働く人への賃金を相応に割高にする縛りを設ける、雇用保険など社会保険料負担を相応に高くする、所定の教育訓練を義務付ける、他にも色々考えられると思うのですが、すべて法制化などで政治が絡んでくること、一筋縄ではいかないのだろうと思います。

 結局はそれぞれの企業が法律に違反しなければよいという姿勢でなく、自社で働いている人たちのことを親身に考えていくようになるのが実は一番早道なのではないかと思います。
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