上津原 章
ウエツハラ アキラグループ
リーマンショックから10年
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2008年9月15日、
アメリカの投資銀行、リーマン・ブラザーズが経営破たんをしました。その2日後、今度は、アメリカの保険会社、AIGが経営破たんの危機になりました。
リーマン・ブラザーズはサブプライムローン(信用度の低い方への貸付)の証券化をいち早く手がけ、会社を大きくしました。AIGは、損害保険や生命保険の会社として知られていますが、経営危機の原因になったのはCDS(取引先等の破たんに備える保険のようなもの)を大がかりに手掛けていたことによるものです。
リーマンショックを突き詰めて考えれば、
信用力を高く見せたり、会社の大きさに合わない大きな取引をしたりしたことが原因といえます。 先日の日本経済新聞で、リーマン・ブラザーズの元経営幹部へのインタビューがありました。金融危機の起因になった会社の一つにもかかわらず、反省の弁が何一つなかったのが大変印象的でした。当事者からすれば、生き残ろうともがいていた結果で自分たちの責任ではないということなのでしょう。
今年夏になって、
福岡市発祥の収益不動産会社、TATERU(元:インベスターズクラウド)の社員が顧客の預金残高を一ケタ多く改ざんした事件がありました。報道された限りでは、顧客からの告発により契約は破棄され実害はなかったようです。
私が仕事で接する範囲ですが、ワンルームマンションなどの収益不動産を購入される方は、購入代金に対して頭金が少ないことが多いようです。家賃が予定通りに入っているうちはよいのですが、空室になった時に大丈夫か心配になることがあります。給料等の他の収入だけで確実に借入金の返済ができるようにしたいものです。
お金の本質は変わらない
目先の利益のため信用力を高く偽ったり、身の丈不相応の取引をしたりすることが後を絶ちません。お金にかかる本質は何一つ変わっていないと実感します。
お金のことを含め自分を客観視したい時、いつでも弊社にご相談ください。
大まかに用語解説
サブプライムローン
通常であればお金を貸すことができない相手(破産者・借入金の返済延滞者・過剰債務者)に対して、高い金利でお金を貸す商品。主に住宅や自動車の購入で使われる。多数の債権をまとめ、小口にして(有価証券にして)金融機関に販売することも行われている。
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)
本来は、取引先等へ貸したお金などを、取引先が破たんしても回収できるようにするための商品。破たんリスクなどに応じて手数料を支払う。手数料を受け取った側は利益が出るが、破たん時の損失を引き受けなければならない。CDSの価値は、破たんリスクだけでなく流動性リスク(売れない・買えないリスク)によっても変動する。
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