上津原 章
ウエツハラ アキラグループ
節税目的だけでNISAを使わないで!
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こんにちは。
このコラムでは、節税メリットだけでNISAを使うことの恐ろしさについて考えてみたいと思います。
今日1月6日は、日経平均が500円余り下げました。
下落率でいうと、明らかにNYダウのものより大きいです。
日本の株式市場において、投資家層が薄いことの表れのように感じます。
ここひと月余り、NISAの枠を活用しようとしての買いが入っていたようです。
12月にまだ枠が残っているとなると、興味がある方であれば使いたい心境になるのではないでしょうか。
その気持ちは大変よくわかります。でも、ひとつ気に留めておきたいことがあります。
皆さんは、NISAの枠を使う時に、含み損や売却損が出た時にどうするか考えておられますか。
NISAの枠を使って株式や投資信託を購入した場合、
値上がり益が出ても税金がかからないのはそのとおりですが、同時に、
損失が出ても売却益や配当(または分配金)収益から差し引くことができないのです。
となると、このようなことを思われる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
「損失が出ていても、他の株式の売却益や配当金から差し引けないので、損切りできない。」
投資のリスクで最も気をつけなければならないのは、
価格変動リスクや、為替リスクや、信用リスクではなく、流動性リスクなのです。
なぜなら、気に留める方が少ないからです。
NISAの枠で購入した金融商品が損切りできないというのはあくまでも心理的なものですが、
売ろうにも売れないという点では、流動性リスクとかなり似ています。
NISA枠を活用する場合でも、あくまでも売却益や配当金などの非課税はおまけと考えられるとよいでしょう。
リスクがあることは通常の投資と同じですし、長期間使う予定がないお金で行うという基本も変わりません。
「税金」というキーワードで投資判断を間違えそうであれば、
あえて通常の特定口座で株式などを買って、正々堂々と売却益などの税金を払うのも一つの方法ではないでしょうか。損失が出た時に、他の売却益や配当収益などと相殺できるのですから。
上津原マネークリニック 上津原 章
<写真は1月2日、吹雪の広島市内の様子。株式市場にも年に数回は嵐や吹雪の日があるものです。>
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