大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
カナダ高校留学受入学区の不安定さ - 頻繁に辞める責任者
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先週発表した「カナダ高校留学受入学区調査」
丁寧で誠意を感じる返信のあった学区、全く無視の学区、わざわざ攻撃的な批判無用拒否メールが来た学区、笑える自動返信が来た学区などの統計の詳細を、PDFの報告書として公開したのがほんの1週間前です。
今回の調査メールの宛先は「留学プログラム」のボスでした。
丁寧な返信のあった学区はほとんど、その責任者が実に温かいメールを返し「日本人留学生をケアしますよ〜」姿勢を見せていたことは大きなプラスだったと感じています。
たくさんの方からも結構報告書PDFのリクエストをいただき、また新たな出会いが始まっていることももうひとつのプラスです。
しかし、油断は大敵。
カナダの留学生プログラムで雇用されている人たちは、驚くほど頻繁に辞め、その後はまた未経験の人が雇われます。
ボスの首がすげ変わるのも「え?また?」というほど頻繁です。
実は、今回の調査でもポイント別に作ったグラフではおそらく一番のランキングのSchool Districtが、そのプログラムのManager(ボスです)を大手求人サイトIndeedで募集しているのを見つけました。
仕事内容は、素晴らしい返信をくれた今のボスと全く同じ。
あらら。
PDF結果に書き加える必要が出てきました。
そんなにも人材が逃げて行く理由の考えられる原因は:
1.給料が安い
留学生授業料でしこたま儲けたお金は、良い人材を良い待遇で雇うのには使ってないようです。
じゃ、いったい何に使っているのかな?
2.仕事がキツイ、難しい
例えば、ホストファミリーと留学生の揉め事の間に立つ仕事など、月額1千万ほど欲しいくらい精神的にもっていかれるストレスの多い仕事です。
しかも、上からは叩かれるし、地元のホストからは恨まれる、留学生からは信用されなくなる。
あ〜〜〜
3.勧誘する留学生の数へのノルマがある
まずはエージェントを誘い込んで、リベート率をおいしくして、エージェントの連れて来る留学生なら質などいとわず全部入れて、それでも数が少ないと首になる可能性もあります。
車のセールスと同じ。
数を売ること、アフターサービスより数。
十分なセールスも出来ずに、留学生のケアなど頑張っても報酬には反映されないみたいです。
4.学区地元との軋轢で、留学生を扱う仕事はリスペクトされていない。
トランプアメリカを嫌う留学生がカナダに押し寄せ、急増加。
中国人留学生の想像を絶する繁殖。
などにより、地元からずいぶん反発が増えているカナダです。
その地元民を説得するという、超難題で燃え尽きる人もいるようです。
5.留学生には恨まれる役
留学生(特に中国人)が増えすぎて卒業に必要な通常授業が満員だが、まずは地元高校生優先が鉄則。
なんやかやと嘘をついて、留学生を不必要に長期間ESLコースに留め置くのが役目。
やってられないですね、低い報酬と周りからの評価の低さでは。
翌日のIndeedにも同じ募集広告が出ていました。
さて、どんな人が応募するのかな。
落ち着いた頃にもう一度問合せてみようと思いますが、おそらくガラッと方針が変わると予想出来ます。
BC州は特に多いですよ。
International Program職員の求人広告が。
年収300万程度で。
住宅や生活費の異常に高いバンクーバー周辺だと、ほぼ貧困レベルの給料です。
「メールで問合せても、返信が速くていい人!」
「実際に会ったが、温かくていい人!」
「留学フェアで印象がよい人だった!」
でも、いざ留学してみると、全く別の人がいる可能性が非常に大な、不安定なカナダの高校留学プログラム担当者図です。
Watch Out!
「カナダ高校留学受入学区調査報告書」ご希望の方は、こちらまで。
(お名前・ご住所・希望理由を明記して下さい。 尚、カナダ高校留学希望・準備中、留学中の方に限らせていただきますのでご了承下さい。)
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