大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
カナダ高校留学の厄介ものー教師のストライキ
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もう20年も前になります。
日本の春休み、教えていた生徒30名ほどをカナダの学校体験に連れて来ました。
ところが!
教師がストライキを始め、全く学校は閉鎖。
それからも、看護師のスト(手術も出来なくて退院させられた患者続出)公共交通機関のスト(3ヶ月、バンクーバーで公共交通機関が止まりました)ゴミ業者のスト(街中ゴミだらけ)などなど、実にストライキの多い国がカナダです。
もちろん、教師のストも年中行事みたいに。
アメリカとはかなり政治形態の異なるカナダは、労働者の権利が強く、雇用主は一種の悪のような認識があります。
ビジネスでもうけている悪者です。
1人雇うとその後が面倒くさい! (私自身、ひどい経験もしましたが、またの機会に。)
呆れるのを雇ってしまい、首にしようとしても、常に労働者の権利の方が強いです。
しかし、教師や看護師がストしてどうする!
将来を担う大切な教育や、命のかかっている患者はどうなる?
と、思いますが、何のその。
“Take care of us more!” “Give us more money!”とすぐに職場放棄します。
まるでトランプが駄々をこねているのと同じレベルにも聞こえてしまうのが、ストをする教師たちの要望です。
アルバータ州に留学中・留学希望のみなさん。
またストがありますよ。
あんなに法外に高い授業料を払わせて、学校は閉鎖、授業はなし。
学期日数が減ると、一番打撃を受けるのが日々の勉強に四苦八苦している留学生です。
が、そんなことはお構いなし。
2002年に非常に大きな教師ストライキがあり、アルバータ州の公教育がズタズタになったとCBCのニュース。
(その当時、私はBC州の教師ストで怒ってました。)
今回のもかなりの規模になりそうとか。
アルバータ州はまもなく選挙を迎えます。
今回勝ち、政権をNDP(社会主義傾向の政党で、労働者が支持)から奪い返すと予想されているUCP(保守政党で自由競争派)が発表した教育改革に文句を言っているのが教師たちです。
UCPの改革案
「アルバータの教育レベルの低下に危機感を持ち、卒業に向けてのGrade12Diploma Exam採点方法の改訂、Grade3の州試験の復活。 NDP政権下で下がり続けているReading/Math能力を上げるための改革。 また、5年ごとに教師の質の査定を行い、質の悪い教師は免許を剥奪。」
「教育の質、生徒の学力低下の原因は教師」と宣言したようなものですね。
生徒にとっては大歓迎のはず。
悪い教師がダラダラ時間つぶしで授業をしている学校など意味がないですから。
特にあんなに高い授業料を払い、質の良い教師の細やかな指導が絶対必要な留学生にとっては、両手を挙げて「UCPやれ〜〜!」と叫びたいくらいです。
ところが、アルバータの教師たちはすねました。
2002年と同じストライキをするぞ!と脅しています。
州全部の教育がストップする可能性もあるぞ!と。
教師の言い分:
「そんな大昔に逆戻りしたような教育改革が必要なら、ストライキする!」
。。。。。
アルバータ州のみならず、BC州などの高校授業を観察して来た立場から一言。
教師の質は低下の一途だと感じます。
特にEnglish, Math, Scienceの主要科目の授業内容のお粗末さはひどいです。
それを見事に食らうのは留学生ですから、ことは重大です。
いい加減な授業のせいで、卒業に必要なEnglish12への学力がつかない留学生が最近多くなっているのも悲惨な事実です。
おまけにストライキですか。
カナダへの高校留学を考えているみなさん。
ここ数年はアルバータ州は避けた方がいいかも。
この紛争はしばらく続く予感です。
じゃ、他の州?
ん。。。。教師のストライキ情報に注目しておいて下さい。
余談ですが、今住んでいるエドモントンのお隣さんは、退職した教師夫妻です。
話をしても自分の事しか話題にしません。
何を話しかけても自分の事になります。
School Districtの日本人留学生への態度調査で感じた「公務員教師の世界の狭さ」も見え隠れ。
もちろん、家の前の芝生にはNDP政党の看板がささってます。
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