対象:住宅設計・構造
回答:2件
地盤について
アトリエイグレックの佐野と申します。
地盤調査報告書をみさせていただいてないので、はっきりしたことはいえないのですが法律関係を含めお話させていただきます。
一般的に地盤調査方法はスウェーデン式サウンディング試験(S.S試験)で行われています。建築基準法でも明確に規定しています。
S,S試験で基礎底面〜2.0mまでで1KN自沈、2.0m〜5.0mで500N自沈がある場合沈下や変形がおきないことを確かめなければならないとなっています。
つまり自沈層がある場合は『建物の重みでそこの部分が沈むかもしれないので何らかの補強をしなさい』ということです。
又木造のベタ基礎の場合地盤の強さは20KN/m2以上必要(換算N値ではありません)となっており満たない場合は杭基礎となっています。S.S調査で基礎底面〜2.0mで1KN自沈層がなければ30KN/m2あるので大丈夫です。
もし下の方に自沈層があるのであれば表面に40cm砂利を敷いてベタ基礎に5箇所鉄筋をいれるという補強方法の意味はわかりません。上の部分を固めても下が沈んでしまったら意味がありませんから。又上部の荷重を増やすことは地盤に対して不利な影響を及ぼします。
木造2階建てだから大丈夫だろうとなどと根拠のないものは大変危険な考え方です。
地盤調査会社やその他専門家に御相談をお勧めいたします。又JIOや住宅保証機構などの住宅保証制度(瑕疵担保責任保険制度となり来年10月引き渡し物件から全棟加入が必要となります。)利用するのもひとつの手段かと思います。
回答専門家
- 佐野 靖
- (建築家)
- アトリエ・イグレック1級建築士事務所 所長
住む人の夢を実現し、安心を提供する。それが設計士の仕事です
『何ができるか?』ではなく『何をしたいか?』をまず伝えて下さい。クライアントの夢を様々な条件を加味し具現化することが設計士の仕事と考えています。家はそこに住まう人々と共に変化していくものです。空間としての家作りをご提案いたします。
中舎 重之
建築家
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地盤調査での換算N値の話
地盤調査のスウェーデン式サウンディング試験(SS試験)での換算N値をどう見るかと言う話です。当方は構造設計の実務者として砂地盤・沖積層の粘性土を1N=10kN/m2として判断しています。換算N値3.4とは、地耐力34kN/m2の地盤と考えます。では、この地盤にどの位の荷重が載せられるかと考えます。土の重量が16~18kN/m2とします。積載可能な上部構造(建家)+基礎の重量=34-(16~18)=18~16kN/m2です。簡単に言いますと重い建物は不可です。地盤が悪いのであれば「べた基礎」ではなく杭基礎の選択がベターと思います。
以上です。 2014.5.6 中舎重之
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