対象:住宅設計・構造
新築のため、建築条件付きの土地の購入を迷っております。
地盤や擁壁に対する漠然とした不安があり、専門家の方のご意見を伺いたく質問させていただきます。
まったくの素人のため、分からないことばかりです。
よろしくお願いいたします。
土地について
平成20年にURが造成しています。
造成前は畑として使っており、2mほど盛土しているようです。
南側に高さ2.62mの擁壁があり、擁壁の下は明治時代からの田んぼです。
擁壁(プレキャストと現場打ち)の底版下1200mmはセメント系固化材で地盤改良しています。
URが行ったボーリング調査の結果は、値が手元にありませんが、擁壁の仕様確認のため取寄せた資料によると、土地の表面から順に、沖積粘性土層・洪積砂質土層(上層)・洪積砂質土層(下層)・洪積貝殻混じり砂層、となっています。
(ボーリングは購入希望の区画から約30m離れた所で行われています。)
ハウスメーカーは契約後に、スエーデン式サウンディングと表面派探査法で地盤調査を行うそうです。
以下について、質問させていただきます。
1.地盤ですが、洪積砂質土層(下層)(盛土した地面から、おそらく8mほどの深さだと思われます。)までN値が10を超えていないようなのですが、これはいわゆる軟弱地盤ということでしょうか。
東日本大震災の時には震度6弱だった地域でもあり、地震発生時の心配しているのですが、木造二階建て住宅の場合、柱状改良工法で問題ないのでしょうか。
2.既製品の擁壁の一部に15~20cmほどの横方向のクラックが2本入っています。(擁壁の下から3分の1より上の場所です。)
クラックの原因は何が考えられますでしょうか。
もし、原因が沈下だとしましたら、メンテナンス等はどのようにすればよいのでしょうか。
また、一般的に擁壁の耐用年数はどれくらいなのでしょうか。
分かりにくい説明で申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
stsyrupさん ( 茨城県 / 女性 / 44歳 )
回答:1件

中舎 重之
建築家
2
地盤と擁壁の話
質問の順序で回答します。
Q1:URの地盤データで、洪積砂質土層でのN値が10と言うのは、
数値としては、低い感じがします。 地下水位が高いのかも知れません。
軟弱地盤では有りません。 軟弱地盤とはN値が3以下の時に称します。
木造2階建てにおいては、支持地盤が8mも低い場合の柱状改良には疑問が有ります。
柱状改良の深さは6mが限度と思います。
それと、地下水流(伏流水)が有る場合の柱状改良はNGです。
硬化剤のセメントが、水に溶けて流れ出します。
Q2:擁壁のクラックは、工場での製造工程で発生したものでしょう。
クラックの位置が、下から3分の1より上との事ですので、
構造耐力上は問題は有りません。
原因は沈下によるものでは、有りませんので心配はいりません。
メンテナンスは、URに申し出て下さい。
図面と現場写真をつけて、A4版の紙に問題を提示して下さい。
URの対応が遅い場合は、建築工事の工務店の社長に、
モルタルにて、充填するよう依頼して下さい。
擁壁の耐用年数ですが、昔ならば土木工事においては、60年が決まりでしたが、
現在はどの位かは判りません。
当方が推測するには、現場打ちのコンクリートならば40年。
工場製作の場合は、50年でしょうか。
2015.4.20 中舎重之 Fax:046-263-9324
評価・お礼

stsyrupさん
2015/04/20 20:22ご回答ありがとうございます。
軟弱地盤ではないのですね。
地下水位も関係あるとは思いませんでした。
木造二階建ての予定ですので、もしこの土地に建てるとしましたら、
ハウスメーカーに地下水流についても確認したいと思います。
擁壁のクラックも心配だったのですが、沈下が原因ではないとのこと、
安心いたしました。
URにはハウスメーカー経由ですが、連絡を取ってもらおうと思います。
擁壁の耐用年数は、現場打ちの方が比較的短いということですね。
コンクリートなので、もっと長く持つと考えていました。
造成後、すでに7年ほど経過していますので、
そのあたりも考慮して進めたいと思います。
どうもありがとうございました。

中舎 重之
2015/04/21 08:18評価をいただき、有難う御座います。
木造住宅の地盤調査では、SS調査になります。
地下水位の測定も除外されています。
ですから、調査の前に地下水位を調べるように依頼して下さい。
ベテランの調査員ならば、地下水位を探り当てるのは難しくありません。
ただし、地下水が流れているか、滞留しているかの調査は別物です。
地下水位が浅ければ、その深さまで掘って見れば一目瞭然です。
地下水位が深ければ、その道のプロに依頼して下さい。
2015.4.21 中舎重之
(現在のポイント:-pt)
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