対象:独立開業
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初めまして。
質問前に前提を以下に箇条書きさせていただきます。
・傷病手当金を2019年1月〜2020年6月まで受給
・2020年1月〜6月中で確定申告が必要になる程度にアフィリエイト収入が発生していた
・開業届はまだ出していない
質問の内容としては表題の通りで、開業届の開業日を遡る場合に、
傷病手当金の受給期間に被っている日を指定することによる問題はございますでしょうか。
懸念している点として、傷病手当金の受給期間中は労務に服することができないことを前提としています。
開業日が受給期間に被ってしまうと、不正受給ということになってしまうでしょうか。
元々アフィリエイトは仕事ではなく趣味でやっていて、労務には当たらない程度の時間(週に2〜3時間程度)しか触れていなかったのですが、思ったより利益が上がってしまいました。
最近は仕事ができる程度に回復したので、いっそ開業して事業にしようと考えました。
そこで、これまでにかかった経費や収益を青色申告に反映させたいと考え、開業届を出す考えに至りました。
しかし開業日を遡ると上記のような問題があるのかもしれないと思い、質問させていただきました。
もし問題がある場合は開業日を傷病手当金の受給期間以降に指定する必要がありますでしょうか。
その場合、開業日以前に発生した経費や利益は個人の雑収入の範囲で計算する、などということになるのでしょうか?
以上、ご回答のほど宜しくお願い致します。
okilifeさん ( 東京都 / 男性 / 30歳 )
回答:1件
傷病手当金の受給期間中でも開業されることは可能です。
okilifeさん、こんにちは。
開業届の開業日を遡る場合に、傷病手当金の受給期間に被っている日を指定することが、「不正受給」と見なされないかについてのご質問ですね。
以下に順を追って、ご説明させていただきます。
1.開業届の開業日を遡る件
当初は趣味で始められたアフィリエイトが、思ったより利益が上がるようになり、開業をお考えになったというお話ですね。
開業届は、事業の開始等の事実があった日から1月以内に、所轄の税務署に提出することが求められております。しかし、事業が軌道に乗るまで開業届の提出を見合わせ、okilifeさんと同じく遡って開業届を提出するケースはございます。元々、開業届の提出忘れによる罰則がないため、開業届の開業日を遡ることについては、ご心配ございません。
国税庁 [手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
電子政府の総合窓口(e-Gov) 所得税法 第二百二十九条
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=340AC0000000033_20180401_429AC0000000074&openerCode=1#2008
一方、青色申告については、「業務を開始した日から2か月以内」と明確なルールが決められているため、遡れる期間に制限がございます。細かい点は、税務署によって若干判断が異なる場合がございますので、お近くの税務署にご相談されることをお勧めします。
国税庁 No.2070 青色申告制度
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
2.傷病手当金の受給期間に被っている日を開業日とする件
傷病手当金の受給期間に行ってはいけない業務に、特別な決まりはございません。「労務」の判断は、傷病手当金を受給される理由となった元のお仕事について、「療養のため労務に服することができない」点が大切になります。今回のような仕事ではなく趣味の範囲(週に2~3時間程度)で、アフィリエイトにより収入を得ているのでしたら、ご心配はいらいないと考えております。
ただし、傷病手当金申請にあたって、担当医より「可能な労務の範囲」についてアドバイスを受けている場合、担当医のご意見が、重要な判断材料となります。最近は仕事ができる程度に回復されているとのお話ですので、まずは担当医とお話をされることをお勧めします。
全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/
電子政府の総合窓口(e-Gov) 健康保険法 第九十九条
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=211AC0000000070#Q
また最終的な支給判断は、元のお仕事の健康保険組合等が決定いたします。そのため、健康保険組合の判断で、一部受給見合わせの判断が下される可能性はございます。健康保険組合や社会保険事務所などに、事前にご相談されてはいかがでしょうか。
3.開業日を傷病手当金の受給期間以降にする場合
傷病手当金を2020年6月まで受給しているというお話ですので、健康保険組合の判断によっては、受給期間を避けるケースも想定されます。このようなケースでは、経費が計上できるのは「開業日」以降となってしまいます。
しかし、開業日以前に発生した事業開始までの間に開業準備のために特別に支出した費用については、繰延資産に分類される「開業費」として計上可能です。なお1個あたりの金額が税抜10万円以上の場合は、「固定資産」として減価償却という費用化の手続きを通して減価償却費という別扱いになります。
また、開業前から収入が発生することは珍しくないため、「事業所得」として取り扱うことが可能です。ただし、税務署によって細かい点が異なる場合がございますので、お近くの税務署にご相談されることをお勧めします。
企業会計基準委員会 実務対応報告第 19 号 繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い
https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/equity_method_2_3.pdf
開業費とは、土地、建物等の賃借料、広告宣伝費、通信交通費、事務用消耗品費、支払利子、使用人の給料、保険料、電気・ガス・水道料等で、会社成立後営業開始時までに支出した開業準備のための費用をいう。
国税庁 所得税法施行令 第七条
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=340CO0000000096#104
国税庁 個人事業者の方の確定申告
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/kakutei/kojinjigyo.htm
4.さいごに
今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、国税庁より各種手続の「期限延長」がアナウンスされております。また、国税の各種手続を、郵送やインターネットで申請できるようになっています。短い期限の手続きもございますが、まずはお近くの税務署にご相談をされてからのお手続きをお勧めします。
国税庁 1 申告・納付等の期限の個別延長関係 問4期限の個別延長の対象となる手続
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/01.htm#q1-4
国税庁 新型コロナウイルス感染症の影響で期限までに申告・納付が難しい方は簡易な手続で期限延長が可能です
(法人・個人の全ての方が対象)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/pdf/0020004-124_01.pdf
国税庁 ご自宅等からも国税の各種手続を行うことができます
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/zitaku.htm
これから事業が軌道に乗りお忙しくなると思いますが、お体にお気をつけて頑張ってください。
okilifeさんの開業のご成功をお祈りしております。
評価・お礼

okilifeさん
2020/08/25 18:26丁寧な解説と具体的な相談先もご提案いただきありがとうございます。
不安だらけでしたが、とても気持ちが楽になりました。
また機会がございましたら、よろしくお願いいたします。
回答専門家

- 小松 和弘
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ホットネット株式会社 代表取締役
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