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対象:人事労務・組織

敵対する代表取締役を解任する

法人・ビジネス 人事労務・組織 2019/09/27 17:01

千葉県市川市の中小企業で仲無線電気株式会社(0400-01-027154)と申します。役員は3人で、うち一人は既に死亡しており、現在、残りの二人も平成23年に重任されてから権利義務役員状態です。いずれ、職権で解散させられるかもわかりません。このことを現在の代表取締役に伝えても聞く耳を持たず、ずさんな経営で、倒産するかもわかりません。そこで、この代表取締役を退任させ(死亡の取締役は死亡辞任)新たな役員を就任させたいのですが、会社の実印を持っている代表取締役の協力は得られません。それでも、役員変更登記はできますか?
株主の内訳は20,000株のうち、代表取締役は400株、現存の取締役と死亡した取締役が各9,800株です。ちなみに、現存の取締役は私の妻で、死亡した取締役は実姉で、代表取締役は、死亡した姉の旦那です。姉の遺産分割協議は決裂して、現在、対立しております。なお、解任理由は沢山ありますが、特に最近、1,000万円の未回収金を計上したことです。よろしくお願いいたします。

元祖仙人さん ( 千葉県 / 男性 / 64歳 )

回答:1件

小松 和弘 専門家

小松 和弘
経営コンサルタント

1 good

遺産分割協議・株式相続した上で、株主総会で解任しましょう

2019/10/28 21:38 詳細リンク

元祖仙人さん、こんにちは。以下、順に回答します。
1.代表取締役の解任と新たな取締役の選任について
2.その他の検討事項

1.代表取締役の解任と新たな取締役の選任について
取締役会設置会社と取締役会非設置会社で、その手続きが変わりますが、取締役会非設置会社を前提に回答します。なお、取締役会設置会社の場合は、現状が取締役2名となっており、会社法(331条5項)で定める取締役の必要員数3名以上を満たさないため後任の取締役を選任するか、取締役会を廃止し取締役会非設置会社に移行する必要があります。

取締役会非設置会社では、代表取締役の選任方法により、解任の方法も異なりますので、以下それぞれについて、手続きの概略を記載します。
ここでの結論としては、現状のままですと、代表取締役の解任は難しいと思われます。

(1)定款にて取締役の互選により、代表取締役を選任することになっている場合
この場合は、代表取締役の解任も、取締役の互選により決定します。互選は、取締役が2名以上いる場合に、その取締役の過半数の賛成によって選定されます。現状、会社にいる取締役2名で利害が対立しており、この状況で元祖仙人さんの妻である取締役が、過半数を取って、解任するというのは難しいと思われます。

(2)代表取締役を株主総会で選任することになっている場合
この場合は、株主総会での代表取締役の解任決議が必要となります。総会での普通決議により、取締役としての地位が解任されれば、当然に代表取締役の地位も喪失すると考えられます。

【株主総会決議における、元祖仙人さんの姉(死亡)が保有していた9,800株の扱い】
この点ですが、姉が保有していた9,800株の相続が完了していないとのことですので、現状は「共同相続」(民法898条)の扱いで、法定相続人である元祖仙人さんと姉の夫の二人の共有となっている状態と思われます。株式が共有に属する場合の株式の権利行使については,会社法第106条に定めがありますが、同条では,「株式が二以上の者の共有に属するときは,共有者は,当該株式についての権利を行使する者一人を定め,株式会社に対し,その者の氏名又は名称を通知しなければ,当該株式についての権利を行使することができない」とされています。この当該株式についての権利を行使する者一人をどう決めるかですが、合議で決まらない場合は、相続分に応じて過半数で決定されると思われます。
法定相続人の相続割合によると、元祖仙人さんが4分の1、姉の夫が4分の3となると思われますので、姉の夫の相続分が過半数になるため、姉の9,800株の権利行使者は姉の夫となると考えられます。

以上から、株主総会で、議決権行使できる株主は、以下の通りとなります。前提として、全て普通株式とします。
姉の夫(保有株数400株+姉の保有していた分9,800株=10,200株、議決権比率51%)と元祖仙人さんの妻(同9,800株、同49%)
この場合、株主総会を招集しても、姉の夫が過半数の議決権を握っているため、元祖仙人さんが望むような決議は難しくなります。
なお、株主総会での決議について、会社法では、「株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。」(会社法309条1項)と規定されています。

(3)今後の対応
ここまで見てきたおとり、現状のままでは、代表取締役の解任は難しいと思われます。よって、まずは、姉の保有していた9,800株を法定相続の割合に則って、元祖仙人さんは9,800株の4分の1にあたる2,450株を相続、姉の夫が4分の3にあたる7,350株を相続することを進める必要があります。現状、遺産分割協議は決裂しているとのことですが、法的な枠組み(遺産分割調停、遺産分割審判等)を活用して、相続手続きを進めることをお勧めします。仮に、姉の株式の相続が、法定相続割合の通り、完了した場合は、以下のような株主構成になります。
議決権行使できる株主:姉の夫(保有株数400株+7,350株=7,750株)と元祖仙人さん(同2,450株)、元祖仙人さんの妻(同9,800株)
元祖仙人さん(同2,450株)、元祖仙人さんの妻(同9,800株)とで、議決権の過半数を有することになりますので、株主総会を開いて、普通決議で元祖仙人さんが望むような議案の可決が可能となります。
よって、まとめると、まず遺産分割協議を完了し、姉の株式を相続した上で、株主総会で代表取締役を解任し、必要に応じて新たに取締役を選任するという流れになります。

2.その他の検討事項
(1)代表印の取り扱いについて
会社の代表取締役の氏名及び住所は、登記事項であるため、代表取締役の変更があった場合は、2週間以内に代表取締役の変更登記を行います。変更登記には、取締役が押印した取締役会議事録の添付が必要となりますが、解任された代表取締役から署名を得られない場合は、その理由を記載して提出します。
会社の代表印を、解任された元代表取締役が、新しく選任された代表取締役に引き継ぐことを拒否した場合は、代表印を作り直すという方法もあります。その場合は、管轄の法務局に、新たに作った代表印の届け出を行いますが、その際は、新しい代表取締役自身の実印があれば届け出が可能です。

(2)代表取締役の不正行為等があった場合の対応
代表取締役が「最近、1,000万円の未回収金を計上した」とのことですが、これが明らかに不正な行為や法令に違反する行為に該当する場合は、背任や横領などで刑事告訴、刑事告発することもあり得ます。

最後になりますが、今回のご相談は法律面を中心に専門的な内容となりますので、当方からのアドバイスは参考としていただき、改めて弁護士や司法書士にご相談することをお勧めします。以上、よろしくお願いいたします。

取締役会
株主総会
代表取締役
会社法
遺産分割

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小松 和弘
小松 和弘
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