対象:ペットの医療・健康
5歳のオスにゃんこの腎臓に左右一個づつ、のう胞が見つかりました。検査はクレアチニンが平均2.0ぐらいの数値で後は正常値、尿検査も異常なし、尿中クレアチニン比も正常値で、この間GFR検査を受けた所、30%しか残っていないとの結果でした。かなり落ち込んでいます。多発性のう胞腎がある子の平均寿命は7歳とネットで出てきたので、余計に落ち込んでいます。先生は今の所多発性ではないから。とは言っていましたが、かなり不安です。腎機能残りが30%でも長生きできる子は居ますか??腎のう胞があるとやはり長生き出来ないんでしょうか?不安でたまりません。宜しくお願いします。
☆けんこう☆さん ( 愛知県 / 女性 / 25歳 )
回答:1件
Re:腎のう胞について
話が複雑になりますので、2つの方向から説明していこうと思います。
まずは腎嚢胞について。多発性嚢胞腎とは区別してご説明しますので、勘違されないようにしてください。一般に猫では7歳齢では腎嚢胞が認められてもおかしくありません。けんこう様の猫は5歳なので、異常と思われるかもしれませんが、7歳というのはあくまで平均です。腎嚢胞の原因は未だ不明で、内因性外因性の物質の関与が考えられています。また腎臓の嚢胞が消失することは通常ありません。
嚢胞腎の長期予後は腎不全の進行に左右されると言われています。基本的には無治療で経過を観察し、嚢胞の大きさ、数の変化により、腎不全の進行と照らし合わせて予後を推察していきます。多発性嚢胞腎は遺伝性疾患であるといわれているので、現状多発しておらず、進行する傾向がなければ違うと考えてよいと思います。
悪化する場合は嚢胞内に感染が認められた場合で、尿中にも細菌感染がみられるようになるでしょう。その場合は抗生物質を含めた積極的な治療が必要になるでしょう。
次にGFR(糸球体ろ過率)について。今回、どのような方法でGFRを測定したのかはわかりませんが、一般臨床で正しいGFRを求めることは困難とされています。難しい話になりますが、現在正確なGFRとして信頼されるのは特定の薬剤を用いて測定されるイヌリンクリアランス、もしくはイオヘキソールクリアランスと呼ばれるものです。しかし、検査法、測定法が非常に複雑なため、クレアチニンクリアランスと呼ばれる方法で推算されています。
今回の場合、GFRが正常の30%ということなので、BUNの上昇が必ず認められるはずです。BUNの上昇がなく、尿検査にも異常が見られない場合、大変申し上げにくいことですがGFRの算定値が間違っていることも考えないといけません。
一般の病院で腎機能(この場合腎不全の進行度といった方が正しいかもしれません)を推定するのは、初期の場合、尿比重の低下、尿中蛋白質の出現、尿中蛋白クレアチニン比です。今回どれも異常が見られていないようなので、腎臓の超音波検査も含めて、定期的にチェックしていくことが一番望ましいのではないでしょうか?
(現在のポイント:-pt)
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