対象:住宅設計・構造
現在設計中の家は鉄骨造で、外壁、屋根ともに全面ガルバニウムになります。
屋根はパラペットが建物4面を囲う形で中は片流れのガルバニウム鋼板縦ハゼ葺き屋根で、内樋(箱樋)の屋根を提案されています。
2階バルコニーから屋根に登るための煙突みたいな点検口があいており、タラップを登れば屋根に上がれる仕組みになっています。排水口も2箇所あります。
色々調べていると、この形は設計上デザインを重視している場合で、この形から樋が詰まったり、想定外の大雨が降ると屋根がプール状態になり必ず漏りするとのことですが、実際どうなんでしょうか?
屋根の素材は外側からガルバニウム鋼板 縦ハゼ葺き(勾配1寸)
アスファルトルーフィング22KG
構造用合板t=12
通気胴縁
断熱材
野地板 構造用合板
となっています。何か問題ないでしょうか?
設計士に相談しましたが、「雨漏りは施工の問題で施工さえしっかりすれば、雨漏りの心配は一切ない。内樋は収まりが綺麗で、非常に良い形であるし、点検口も作っている。いかに綺麗に見せるかが腕の見せ所であり、普通の屋根であれば誰にでもできる。」と豪語されています。
しかし、私からすれば施工をきちんとしてもらう事は当たり前のことで、いくら施工をきちんとしてもらっても潜在的に設計そのものにそういった雨漏りのリスクが隠れているのではないかという疑問があること事から、排水口が2本で樋の詰まるリスクが分散されてるとは言え、雨漏り等の潜在的なリスクがあれば、リスクは避けたいのです。
そこで考えたのは、パラペットを4面ではなく、3面にしてもらって、片流れの屋根の内樋をやめ、樋が詰まっても水が溜まらない、屋根から地面に水が流れおちる構造にしてもらう。
もしくはパラペットそのものをやめて、片流れの屋根にしてもらう。
この二つの場合どのようなことに注意すればいいでしょうか?
あと煙突みたいな屋根にあがる点検口も隠れた雨漏りのリスクとかはあるのでしょうか?
パラペットをやめて片流れの屋根にした場合、点検口はあるほうがいいのか?ないほうがいいのか?どうでしょうか?
現状の設計では屋根勾配も1寸とありますが、どの程度の勾配が必要ですか?
雨漏りを防ぐ形の屋根(潜在的に隠れたリスクが少ない)とはどのようなものがいいのですか?
わからないことばかりですので、皆さま、宜しくお願いします。
pep25さん ( 大阪府 / 男性 / 34歳 )
回答:1件
吉田 武志
建築家
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内樋は難しい
はじめまして。
栃木県宇都宮市で注文住宅とリフォームの設計施工を行う工務店ヨシダクラフトを経営しています。吉田と申します。
質問を読ませて頂きました。
デザインよりも屋根の耐久性と漏水防止を優先するのであれば、最低でもパラペット4面立ち上げと内樋は辞めるべきとだと思います。できれば、パラペットを辞めて2寸勾配以上の、軒の出のある屋根も掛けたいところです。パラペットにするということは、BOXのような軒の出の無い建物だと思います。軒の出ていない建物は、壁も雨がかりになる為、壁や給湯器等の設備機器も傷みやすくなります。屋根勾配は、基本的に急なほど、雨等による劣化を軽減できるので、2寸勾配くらいは欲しいところかもしれません。(1寸だとダメということではありません)
内樋は経年劣化した時に漏水の心配のある点が難しいのです。普通の雨樋なら劣化しても、室内に水は入ってきません。雨樋を交換するだけです。しかし、内樋が劣化すると室内に雨が入る可能性が高くなります。内樋が劣化してリフォームとなると、内装まで含めて割と大がかりなリフォーム工事になる可能性があります。これは、構造的問題?で、誰が設計、施工しても同じだと思います。
ただし、この設計者の方のすっきりとシンプルな形態にしたいという気持ちも分かります。
デザインと安全性、劣化対策の落としどころを設計者と話合ったらいかがでしょうか?
評価・お礼
pep25さん
2013/01/15 00:03ご回答ありがとうございます。外壁のことも合わせてご回答頂き大変助かります。
設計士さんのスッキリとしたデザインは嫌いではないのですが、デザイン命の設計さんで、
快適性、機能性、使い勝手、メンテンナンス性がすべて犠牲になっております。
私は見た目よりも上記のことを優先させたい旨を伝えていますが、たいして改善もされず、逆にこちらが調べて提案するような形になってしまいました。
そうなると、色んな事が不安というか、気になってきましたので、屋根、外壁について質問させて頂きました。
ご回答頂いた内樋にするデメリットや経年劣化時の修理のことなど、全くの説明もなかったどころか、「デメリットは特にない。」と言われていたので、ここで質問して良かったです。
よく考えた上で屋根の形を決めたいと思います。ありがとうございました。
吉田 武志
2013/01/15 07:03評価頂きありがとうございます。
設計者とよく話し合って、お互いが納得できる住まいができると良いですね。
(現在のポイント:-pt)
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