対象:料理・クッキング
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麹菌が生み出す酵素が、食材を柔らかく美味しくします
sakurasacraさま
はじめまして。
クッキングサロンM&Yの高窪と申します。
◆最初のご質問は塩麹や醤油麹の効能についてですね。
塩麹、醤油麹ともにポイントとなるのが、麹菌の働きです。
麹菌は、人に有用な働きをするカビの代表格。
酵素を生み出す力が強く、およそ100種類もの酵素を生み出すそうです。
その酵素があわさって、人が作ることができない深い旨みを生み出してくれます。
麹菌が生み出す酵素の中で代表的なものが、でんぷんを分解してブドウ糖にするアミラーゼと、たんぱく質を分解して旨み成分にする「プロテアーゼ」です。
酵素の働きは旨みを生み出すだけではなく、細胞も分解するので食材を柔らかい状態にしてくれます。
固い肉を塩麹に漬けて一晩置くと、旨みを増すだけでなく肉が柔らかくなると言われるのはそのためです。
また、醤油麹はそれ自身が旨み成分の塊です。
塩麹は漬け込んで使う使い方で更に食材を美味しくしますし、塩代わりにつかうことができます。
醤油麹は食材を漬け込む使い方はもちろんのこと、醤油代わりにさまざまに使うことができます。
塩麹や醤油麹は旨みを増してくれるため減塩にもなりますので、是非とも積極的に使ってくださいね。
◆市販品の塩麹を使ったけれど、匂いにくせがあり美味しくなかったのはどうしてか、というのが、ふたつ目のご質問ですね。
市販品の場合、流通段階や店頭保存時の腐敗を防ぐために、自家製のものよりも塩分量を多くしたり、高熱殺菌をしたり、酒精を加えたりしています。
ひとつめのご質問でお答えしましたが、塩麹や醤油麹が美味しい調味料として役立つためには麹菌が生み出す酵素が働かなくてはいけません。
ところが、塩分量を多くしたり殺菌したりすると麹菌が死んでしまいますから、麹菌が生み出すはずの酵素も働かなくなります。
そのために、市販品を使うと期待はずれだ、という方が多いのです。
まずは、市販品を選ぶ時は酒精が含まれないものを購入することをお勧めします。
また、含まれる塩分量がわからないので、一般的な使用目安といわれる食材の10%の量よりも少なめに塩麹を使ってみて、味を見ながら調整していただくことをお勧めします。
補足
また、塩麹の香りですが、発酵調味料のために熟成した塩麹はバナナのような甘い香りがしますが、通常、肉を焼くなどで加熱すると香ばしい良い香りになります。
さらに、塩代わりの調味料として使っても香りが気になることはないと思います。
もし、香りが気になるようでしたら使う量を加減してみて、様子を見ていただくことをお勧めします。
この回答が、sakurasacraさまのお役に立てればさいわいです。
高窪 美穂子
評価・お礼

sakurasacraさん
2012/08/09 19:26詳しく解説いただき、ありがとうございます。
さすがプロですね!よく理解できました。
また市販の塩麹の選び方、使い方についてもアドバイスいただきありがとうございました。
減塩にもなるとのことですので、上手に使ってみたいと思いました。
回答専門家

- 高窪 美穂子
- (東京都 / 料理講師)
- 株式会社アッサンブラージュ 100%天然素材家庭料理実践家
海や大地と家族をつなぐシンプル調理で美味しい家庭料理
「また作ってね」と褒められる!化学調味料・食品添加物フリー・素材にこだわるワンランク上のおうちごはん、高窪美穂子の料理教室・クッキングサロンM&Y主宰。著作に2016グルマン世界料理本大賞Fish部門世界第3位受賞「ラクチン!お魚クッキング」など。
(現在のポイント:-pt)
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