対象:独立開業
回答数: 1件
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回答数: 2件
個人事業主として、データ入力、音声等を書き起こす仕事をしております。
とある会社が業務委託でのスタッフを募集していたので、応募しました。
正式な業務委託契約書を交わす前に、3回ほどお仕事をいただき、報酬もいただいきました。
(報酬は、合計で13,000円程度です)
業務委託ですし、その会社の機密情報にあたるようなところには関与していないと
思います。仕事上、私が知り得た情報は、インターネット上に公開されているものばかり
です。
また、その本社に直接伺ったことはありません。電話とメールでの連絡のみです。
その後、業務委託契約書が送られてきて、内容を確認したところ、
「退職後も会社の同意なしに、競業する行為をしない」という一文があったので、
契約はいたしませんでした。
将来的には、当地で個人事業主として、仕事をやっていきたい希望があったためです。
契約はしないと伝えたところ、退職にあたり誓約書を書かせられました。
それには、「退職後2年間は、同意なしに競業する行為をしないこと」という一文があります。
あとは、守秘義務や、名誉を傷つけないといったようなものです。
地域の限定については、触れられておりません。
また、退職金をいただいたとか、そういうこともありません。業務の報酬のみいただきました。
当面、自分から飛び込み営業をするような予定はありませんが、HPの開設はしたいと思っていますが。
それさえも制限されてしまうのでしょうか。
その会社は、違う県に本社があります。
よろしくお願いいたします。
ウェルテルさん ( 島根県 / 女性 / 35歳 )
回答:2件
HPの開設をしても法的の問題となる可能性は低いでしょう
ご質問者の方は、本件委託会社のスタッフ募集に応募され、契約書を交わすことなく業務を受託されて約13,000円の報酬のお支払いを受けられ、その後、業務委託契約書の内容を確認された結果、本件委託会社とは契約を締結しないことにされたとのことですので、ご質問者の方と本件委託会社との間には、正式な業務委託契約は成立していないと考えられます。(3回の仕事について、一種の業務委託契約が成立したと考える余地もありますが、正式な業務請負契約の締結前の試験的な色彩のあるものであったと考えられます。)
従いまして、「退職後2年間は、同意なしに競業する行為をしない」という内容の誓約書を書かせられたとのことですが、この誓約書が果たして有効なものであるか否かにつきましては、甚だ疑問に思われます。
また、ご質問者の方は、本件委託会社からデータ入力や音声等の書き起こしの仕事を3回受託され、その際に、本件委託会社の営業機密にかかわる情報等の開示は受けていないとのことですから、ご質問者の方がデータ入力や音声等の書き起こしの仕事を他社から受託されても、そのことが直ちに誓約書にある「競業する行為」に該当するものとは、考えにくいものと思われます。
以上のことから、今後、HPを開設し、ご質問者の方が本件委託会社の同意を得ることなくデータ入力や音声等の書き起こしの仕事を他社から受注されたとしても、実際に本件委託会社との関係で、法的に問題となることはないものと思われます。
また、万一、クレームを受けたとしても、誓約書の内容自体に問題があると考えられることから、誓約書があることによって、ご質問者の方が裁判等の法的手続きによる損害賠償請求を受け、損害賠償を支払うことになる可能性は、極めて低いものと思われます。
回答専門家

- 金井 高志
- (弁護士)
- フランテック法律事務所
フランチャイズとIT業界に特化。最先端ノウハウで支援します
フランチャイズ本部と加盟店に対して、法的アドバイスでのお手伝いをしてきています。また、インターネット関連のベンチャー企業の事業展開のお手伝いもしています。特に、株式公開を目指すベンチャー企業のために、お手伝いができればと思っています。

今林 浩一郎
行政書士
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労働法上の競業避止義務
商法及び会社法においては、(1)支配人(商法23条)、(2)代理商(商法28条)、(3)取締役及び執行役(会社法356条、419条)並びに(4)持分会社の業務執行社員(会社法594条)等の競業避止義務の規定があります。
しかしながら、貴女の場合は、これらのいずれにも該当せず、労働法上の特約による競業避止義務に該当します。労働法上の特約による競業避止義務は、労働契約締結の際に従業員の退職後に競業他社への就職を禁ずることを定めた誓約書に署名したり、入社後就業規則に明記された競業避止条項に拘束されることにより効力が生じます。
まず、貴女は当該会社から3回ほど仕事の依頼を受け、報酬を受け取ったということですが、未だ業務委託契約を正式に締結していないということですから、仮に業務委託契約に「従業員の退職後に競業他社への就職を禁ずることを定めた」条項が含まれていたとしても、当該条項は貴女を拘束しません。民法の契約は、原則的として、黙示の合意があったと解される特段の事情がない限り、契約内容に合意した上で契約締結しない限り、当事者を拘束しません(労働基準法15条1項・労働条件の明示義務)。ましてや契約条項に競業避止義務が含まれていることを理解した後は、契約締結を拒否しているのですから全く問題はありません。
そういう意味では、貴女は、「退職後2年間は、同意なしに競業する行為をしないこと」という一文を入れた誓約書に署名する義務はありませんでした。しかしながら、誓約書に署名した今、契約は成立し、貴女は当該条項に拘束されます。
ところで、地域的な限定の問題ですが、商法16条1項が目安になると思います。そこでは、営業譲渡人は、「同一の市町村の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内」では、同一の営業をすることを営業譲渡後20年間禁止されます。もっとも、当該会社の本社、支社及び営業所等の全国展開の程度その他の方針により誓約書の趣旨は異なるので、やはり具体的な地域性に関しては当該会社に尋ねられた方が賢明です。
(現在のポイント:3pt)
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