白血球数は正常下限・甲状腺機能は正常上限⇒ほぼ問題なしかと - 吉野 真人 - 専門家プロファイル

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白血球数は正常下限・甲状腺機能は正常上限⇒ほぼ問題なしかと

2017/12/08 15:57
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白血球3000というのは、確かに低めの数字です。極端に白血球が少なくなると免疫力が低下して、感染症に罹りやすくなりますが、白血球の数には元々かなりの余裕があり、3000程度では免疫力に大きな影響はないとされています。免疫力の低下が問題となるのは更に低いレベルで、だいたい白血球数2000以下とされています。
一方で白血球にはいくつかの種類があり、その割合も重要視されます。これを白血球分画といいます。2大勢力は顆粒球とリンパ球ですが、それぞれ何%となっているでしょうか。大まかに言って顆粒球は40~70%、リンパ球は20~50%の範囲とされていますが、感染症などで割合が大きく変動することがあります。

昨年の白血球数が4100というお話ですが、例年は大体そのレベルでしょうか。だとすると正常下限レベルであり、なおさら免疫力には問題ありません。一方で今回の3000程度が例年のレベルですと、少し低めの数字と評価されます。この場合も上述のように、それ自体が健康に大きな悪影響を及ぼすレベルではありません。
むしろ白血球数3000程度が続いているとすれば、ある種の疾患の有無が問題となります。代表的なものは関節リウマチや全身性エリテマトーデスといった、膠原病およびその類縁疾患です。但しこのような疾患では独特の症状、例えば発熱、発疹、関節痛などが生じるもので、そういう症状がないのであれば、特に気にする必要はありません。

普段は4000台の白血球数であり、今回に限って3000という低い数字となったのであれば、お話にある口唇ヘルペスが関与している可能性があります。
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスが原因で発生する口周囲の独特の皮疹ですが、このようなウイルス感染により、一過性に白血球数が減少する事は多々あります。上述の白血球分画のうちリンパ球が減少する事が多いとされますが、これは主としてリンパ球が、ウイルスを処理するために使われるからです。

次に甲状腺機能に関してですが、TSH 0.663 FT4 1.37というのは正常範囲であり、問題は特にありません。少し低いという印象をお持ちのようですが、結論から言うと、むしろ「正常上限近く」と解釈できます。
若干低めなのはTSHですが、これは甲状腺刺激ホルモンという脳下垂体から分泌されるホルモンであり、甲状腺ホルモン(FT4など)の分泌を促す役割があります。一方で肝心のFT4は、むしろ正常上限近くです。

総合的に解釈すると、FT4が若干高めなために、それを刺激する役割のTSHがネガティブフィードバックによって分泌を若干抑制されている、という構図が考えられます。
正常範囲とはいえ、もしFT4が少し低めの値であれば、疲れやすさ等の症状との関係が浮上しますが、FT4が少し高めなのは、むしろ理想的とさえ言えます。
また健診で甲状腺が少し腫れているようだ、というのは、多くの場合「単純性甲状腺腫」と診断され、治療対象とはならず経過観察の対象となるケースが多いようです。但し慢性甲状腺炎や濾胞性甲状腺腫などの場合もあり、一度は甲状腺エコー(超音波検査)などの精密検査を受けておいた方が安心です。

ところで体調は特に悪くないとはいえ、体力が落ちてヘルペスが出やすくなった、というお話です。余談ですが、これへの対処法も少し考えてみましょう。

白血球数3000とか4000というレベルは免疫力の大きな低下を招かない、と上述しましたが、免疫力の強さを左右しているのは白血球数だけではありません。個々の白血球自体の機能、免疫グロブリンの量と機能、血流の豊富さ、皮膚や粘膜の強さ、体温や代謝レベル、栄養バランスなどが複雑に関係し、総合的な免疫力が形作られているのです。
もし口唇ヘルペスが出やすいのであれば、総合的な免疫力が低下しているのかも知れません。一方で体力が落ちた、と感じているのであれば、それにも何らかの原因があるはずです。いわゆる体力と、総合的な免疫力とは表裏一体の関係にあるので、別々に対処するのではなく、全体として改善させていくという視点を持ちたいものです。

体力や免疫力を低下させる要因としては多数あり、本稿で全てを説明する字数の余裕はありませんが、ここでは一つ「栄養バランス」について若干解説します。
体力や免疫力を維持するために必要な栄養素には様々なものがありますが、代表的なものの一つにビタミンB群があります。ビタミンB群には8種類があり、全体として実に多様な働きが知られていますが、そのうちの一つビタミンB2には、皮膚や粘膜の機能維持という役割があります。よく口内炎が出来る人はビタミンB2が足りない、などと言われますが、皮膚や粘膜の健康に欠かせない栄養素なのです。
一方でビタミンB1は糖質代謝などに重要な役割を持っており、その不足は糖質代謝を阻害し、疲れやすい、倦怠感、太りやすい、などの症状を招きます。一言でいうと「疲れやすく、体力がない」状態に陥るのです。またビタミンB6はタンパク質代謝などに関与し、その不足では憂うつ感やイライラ感など「メンタル不調」を招きやすくなります。ビタミンB群にはこのように多様な働きがあり、しかも互いに協働しています。

他に免疫力や体力に関係する栄養素は多数あり、ビタミンCやビタミンD、亜鉛、鉄、カルシウム、タンパク質各種など、それこそ枚挙に暇がありません。また栄養以外でも体の保温や解毒の促進など、様々な取り組みが大切です。
字数の関係で、本稿に於いてこれらの説明は割愛します。私の他のQ&Aやコラム、私のホームページ(2本あります)などに、栄養や保温、解毒などに関する多数の記述がありますので、ぜひ参考になさって下さい。

蒲田よしのクリニック(内科)
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白血球数
免疫力
ホルモン
甲状腺
栄養

評価・お礼

キラきら さん

2017/12/08 17:49

とても丁寧に回答いただきありがとうございます。
疑問に思って不安に思っていた部分がすっきりしました。
こんなにわかりやすくかつ詳しく回答して頂けたことにとても感謝しています。
ほんとにありがとうこざいました。

回答専門家

吉野 真人
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( 東京都 / 医師(精神科) )
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この回答の相談

健康診断の結果について

心と体・医療健康 心と体の不調 2017/12/07 11:32

40代の女性です。
先日健康診断の結果が届いたのですが、白血球が少なくC判定でした。数値は3000でした。
ちょうど、健康診断の前日に口唇ヘルペスが出来始めました。健康診断があるので薬は服用せず健康診断… [続きを読む]

キラきらさん (千葉県/41歳/女性)

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