対象:住宅設備
遠藤 泰人
建築家
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夏の、朝日・夕日にご注意下さい
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タマミ様
1)まず夏の暑さ対策に関してお話しします。
周辺の状況を観察して(というのは密集地の場合は元々陽が射さない事があるからです)、東側の朝日・西側の夕日が部屋の中に射し込むようでしたら、その窓は遮熱用のLOW-Eガラスとしたいところです。
昔から関東以西では西日をさけるために、西側には窓を出来る限り設けないようにしてきました。西日は夕方元々暑い時間に、ほぼ水平に近い高さで射してくるので、家の奥深くまで入り込みます。庇等の建築上の処理では防ぎようがありません。京都などで外部にすだれを掛けているのはその為です。
朝日も熱量・陽の入り方は夕方の西日とか変わりません。まだ涼しい朝方のことですので、しのぎやすいと言うだけです。しかしながら高気密高断熱住宅を前提に考えますと、東側も遮熱が必要になります。
南側に関しては、建築上の処理で(庇など)で夏の陽射しをガラス面に当たらないようにするのが、原則です。日射しを遮るものがないと言うことですが、夏の太陽の高さは高いので、通常の庇で十分陽射しはカットできるものです。
2)次に、冬の寒さについてお話しします。
この場合は室内の熱が外に逃げないようにする事が重要になります。したがって、上に述べた朝日・夕日が射し込む窓以外は、断熱のLOW-Eガラスが適しています。
しかしながら、南側の大きなガラス戸などは、ガラスの断熱性能より、ガラスで冷やされた冷気がガラス面に沿っておりてきて床の上を流れていく、コールドドラフト現象を切ることにお金を使った方がよいと思います。一番は障子(洋間でも)二番目は床までのたっぷりのカーテンという事になると思います。
その上で、予算があれば断熱のLOW-Eガラスとしたいものです。
もし、南の掃き出し窓で、夏の日中の陽射しがガラス越しに室内に入ってくるような設計の場合(近頃のデザイン住宅によくあります)遮熱のLOW-Eガラスが適していることになりますが、その場合は低い高度から室内奥深く射し込んでくる、冬の暖かな陽射しも切ることになります。
従って、ガラス以前に、建物のデザインの考え方そのものがしっかりしていないと、なかなかうまくいかないものです。
参考にしていただけたら幸いです。
評価・お礼
タマミ さん
2012/01/10 23:15
早速のご回答ありがとうございました。
方角によっても窓を選び分ける必要があるのですね。
夏の日差しを避けるには、庇があるとよいことや建物の設計にも
関わるということを知りませんでしたのでとても参考になりました。
専門家の方の意見は本当に貴重ですね。
ありがとうございました!
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