対象:一般歯科・歯の治療
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渡邉 征男
歯科医師
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治療について
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はじめまして。千葉県で開業しております渡邉と申します。気になりましたので、私なりの意見を記載させていただきます。
免疫力で細菌の繁殖を抑えていけば治療は必要ないのでは、という人がいます。
RE:私個人的な意見ですが、これは科学的な根拠は薄いと思います。神経が死んでいることが確定しているのであれば、基本的に治療は必要だと思います。
歯科医は、ブリッジを外すことなく穴から処置するのでたいした処置ではない、という言い方をしますが、この処置は、専門医にかかることになるので多額の費用がかかります。
RE:かぶせてある歯に穴をあけて根管治療をするのは簡単なようで結構難しいです。ブリッジを外した方がやりやすいのは事実ですが、穴をあけて治療することは間違いではありません。実際にアメリカでは治療費が高いので穴をあけて治療するケースは多いと聞きます。
ただし、かぶせものが外れやすくなったり、上からの漏れについては気をつけなければならないと思います。定期的なチェックは必須だと思います。
おっしゃるとおり専門医だと10万円位かかりますね。ただ、高いですが確実な結果のためにはやむを得ないコストかもしれません。保険診療、自由診療どちらを選択するにしてもラバーダム防湿、マイクロスコープ、アメリカの歯内療法の教育を受けている医療機関を受診するべきだと思います。
大学病院の歯内療法科(保存科)を受診するのも一つの選択肢です。大学病院は基本的に適切な治療を保険でやってくれますが、担当医の力量にばらつきがあるのが問題です。
死んだ神経が炎症を起こさずにいることは可能なのでしょうか? ブリッジに穴を開ける事による弊害はないのでしょうか? 実際に、根管治療をせず、定期的にレントゲン検査で様子を見ていて長期に問題のない患者さんのケースはあるのでしょうか?
RE:日常的なレベルでは慢性化すれば症状も落ち着くでしょうし、進行がストップしているようなケースは実際に多くあります。ただし、細菌学的には口腔内細菌が全身へ移行する話も多くありますし、細菌学の権威の某歯科大学の教授の説明でも根尖性歯周炎の病巣からも細菌は血中に移行していると言われています。実際のところは何とも言えませんのでご自身の判断になると思います。ただ、もし私なら治療すると思います。
補足
最後に画像についてです。
当院の50代女性の患者さんの例です。
画像1は3、4年前のレントゲンで、右上1(画面では左側)はクラウンの裏から穴をあけて歯内療法を行ってありました。治療したのは10年以上前とのことです。(詳しくは忘れましたが、アメリカか他の日本の歯科医院でやったそうです。)特に問題なく経過しています。
画像2は左上の根管治療をおこなった術後4カ月のレントゲンです。(同じ患者さんでつ最近のケースです。)患者さんは数年前から当院にて定期的なメンテナンスを受けていますが、左上1(画面では右側)に根尖病巣(根の先の黒い部分)があることを以前から指摘しており今までは手をつけていませんでした。何となく患者さんが気になってはいたので結局最近になって私がクラウンの裏から穴をあけて根管治療を行いました。もちろんクラウンをやり直さないリスクなど色々と説明させていただき同意して頂いた上での処置です。一応黒い像は縮小傾向で経過観察を続けている状況です。
緊急性はないと思いますのでセカンドオピニオンや色々な情報を考慮してゆっくり決めても良いかもしれません。お大事になさってください。
私の作った歯内療法専門サイトです。参考の一つにしてください。
http://www.microendo.jp
長文で失礼しました。お大事になさってください。
評価・お礼
kotori8_8 さん
2010/10/01 02:10渡邉先生、有難うございます。実際の患者さんの例等、詳しい回答を戴き感激しております。歯内療法についての説明も先生のサイトで読ませていただきました。大変参考になります。現在、症状は落ち着いているので、この間に信頼できる医師の選択など、調べて後悔のない処置をしていきたいと思います。先生がお近くなら伺いたいのですが。。。残念です。ありがとうございました。<(_ _)>
渡邉 征男
2010/10/01 13:56ご丁寧に評価頂きありがとうございました。良い結果になることをお祈り申し上げます。
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