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平 仁
ABC税理士法人 税理士
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23年度税制改正大綱(13 消費税、酒、たばこ税は先送り)

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税制改正 平成23年度税制改正

消費課税については、ほぼ全面的に平成24年度改正に先送りされました。

平成25年の参議院選挙を考えれば、平成24年度改正しか消費税改革の

チャンスはないものと思われますので、来年度の大綱には、複数税率制の

導入による消費税増税とともに、給付付き税額控除制度の導入を含めた

アメとムチが混在する消費税改革が想定されるところです。

 

・消費税

「社会保障の財源は、税制全体で「所得・消費・資産」のバランスのとれた

改革を行う中で確保していく。社会保障全体の財源は税制全体で確保していく

が、その中でも「国民全体で広く薄く負担する」「安定した税収」という特徴

を有する消費税は非常に重要である。「公平・透明・納得」の税制を築き、

社会全体が支え合う新しいモデルを構築していくためには、およそ所得税改革

だけでなし得るものではなく、消費税を含む抜本改革に政府は一刻も早く

着手すべきである。」

「社会保障の安定・強化を目的に消費税の引き上げを提起する場合には、

国民の理解と納得を得るためにも、消費税を社会保障の目的税とすることを

法律上も、会計上も明確にする。その際の「社会保障」とする給付費の

範囲は、まずは高齢者3経費を基本としつつ、現役世代のセーフティネット

の安定・強化についてどこまで対象とすることが適当か、検討を行っていく。

将来的には「社会保障」全体について安定財源を確保することにより、

制度の一層の安定・強化につなげていく。また消費税率が一定の水準に達し、

税・社会保障全体の再分配を見てもなお「逆進性対策」が必要となった場合

には、制度が複雑となり、また政治的な要因が働きやすい「複数税率」

よりも、制度が簡素で透明性の高い「還付制度」を優先的に検討する。」

 

・たばこ税・酒税

「たばこ税については、国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制する

ため、将来に向かって、税率を引き上げていく必要があります。」

「平成24年度税制改正以降の税率引上げにあたっては、たばこの消費や

税収、葉たばこ農家、小売店、製造者等に及ぼす影響等を十分に見極めた

上で判断していきます。」

「酒税については、酒税の公平性等の観点も踏まえ、平成22年度税制改正

大綱で示した「酒類の生産・消費の状況等を配慮しつつ、類似の酒類に

ついては、基本的に致酔性の観点からアルコール度数に着目した税制とする

ことを検討」との方針に沿って、検討を進めます。」

 

たばこ税については、税調提出資料でも今年度も引き上げる可能性を示した

資料がありましたが、ひとまず引き上げ論はすぐに手控えたようです。

しかし、断続的に税率を引き上げても税収は減らないとの試算もあり、

今後の議論の進展には注目すべきでしょう。

また、酒税については、衆院選直後のワールドビジネスサテライトの取材を

受けましたが、アルコール度数に応じた課税への転換が目論まれています。

当時の私の試算は、第三のビールや日本酒、焼酎の税率が大幅に上がる一方、

日本では希少価値が高く舶来ものだったビールやウィスキー、ブランデーの

税率は下がる、という結果が出ました。(酒税法の発想は明治初期から

変わっていませんからねえ…)

健康への負荷に応じた課税を目論むのであれば、たばこ税も酒税も、

タール量やアルコール量に応じた課税が合理的だと思いますね。

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