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「僕のおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました」の言葉で思うこと

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え

 最近、一方的に自分の主張ばかりをしたり、価値観が違う相手を攻撃したり無視したり、自分と異なる考え方の人を尊重しないような風潮が気になります。

 

 せめて自分はそうならないように、「相手の立場を考えること」を、いつも意識していますが、自分なりにできているという自負を、ただそういうつもりになっているだけではないかと、考えさせられることがありました。

 それは、ある広告コピーを目にしてのことです。

 

 「僕のおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました」という子供が書いた文字に、涙を流す子鬼のイラスト、合わせて「一方的な『めでたし、めでたし』を、生まないために。広げよう。あなたが見ている世界。」というメッセージが記されています。

 これは、日本新聞協会広告委員会が開催した「2013年新聞広告クリエーティブコンテスト」の最優秀賞、東京コピーライターズクラブの2014年TCC賞最高新人賞を受賞した、コピーライターの山﨑博司氏の作品です。

 

 山﨑氏がこのコピーを考案したきっかけは、シリア内戦に対するアメリカの軍事介入だったそうで、「世の中は正義と思っていたかもしれないが、限られた情報の中で、物事を一方的に決めつけてしまうことが本当に正しいのか。それを桃太郎の話に重ね合わせて世に問いたかった」とのことで、政治的アピールや反戦運動をしたかったわけではなく、“物事を様々な側面から考えること”、“相手の立場に立って考えること”の大切さを伝えたかったということでした。

 

 「桃太郎は正義で、鬼は悪者と決められているが、それは桃太郎からの視点であり、自分の価値観で見えている世界と、他の人の立場で見えている世界は全く異なる」「一つの側面からだけで判断してしまっては、誰かの幸せの裏で誰かが不幸になるかもしれないということに気が付いて欲しかった」ということでした。

 

 私は「相手の立場を考える」と言いながら、ここまでの視点は正直言ってありませんでした。桃太郎が正義で、鬼が悪ということに疑いがなく、悪が罰せられるのは当然だと思っていました。

 でも、それはしょせん自分本位の価値観であり、本当に相手の立場を考えるのであれば、そういった前提で決めつけてはいけないと思います。

 

 自分が今まで意識していたのは、結局相手の立場を自分の価値観の中で考えていただけであり、それは自己都合の主張ばかりする人たちと、根本的には何も変わっていなかったということです。

 「相手の立場に立っている」つもりになっていただけで、本当の意味で、「相手の立場に立って考える」ということは、実はとても難しいのだと痛感しました。

 

 考えてみれば「めでたし、めでたし」は、それで終わりの思考停止の言葉です。それではいけないという山﨑氏の言葉が、とても心に染みました。

 

 

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