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閲覧数順 2024年04月30日更新

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誰でも陥る「人物評価の思い込み」

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え

 ある人から「とても立派な素晴らしい社長がいるから紹介したい」といわれました。業績を上げて伸びている会社の社長で、いろいろな団体で役員を務められているそうです。学歴や家柄のことも言っていました。

 ただ、私はそれを聞いても、本当に立派で素晴らしいかどうかは会って話してみなければわからないと思います。その社長の人間性は全くわからず、ビジネス的に成功していて経歴が立派という話だけだからです。経歴の良さや成功していることは確かに素晴らしいですが、私が考える「立派で素晴らしい人」の尺度は、もっと人柄や人間性の優先順位が高いので、聞いた話だけでは評価できません。

 

 ずいぶん昔の話ですが、こんな経験があります。

 私がまだ新卒で会社に入社して数年目の頃、ある飲食店で会った面識のない人に、自社の社長に対する話し方や態度が失礼だと小言を言われました。「社長に対する言葉づかいではない」などと言います。その人はお店の常連で、自社の社長とは多少の面識があったようです

 私が当時在籍していた会社は上下関係がフラットな雰囲気の会社で、確かに上司を上司と思わないような失礼なことはありましたが、上司部下がお互いに肩書ではなく「さん付け」で呼び合うような社風でした。

 そんな日常会話の延長でやり取りしていたところを、他人が急に割り込んできて一方的に小言を言い、私も若かったので「見ず知らずの人に言われる筋合いはない」「大きなお世話だ」と言い返した記憶があります。

 もしまた同じことがあったとして、相手に言い返しはしなかったとしても、心の中で思うことはたぶん当時と変わりません。肩書や社会的地位は違っても、お互いの関係性はそれだけに決まるものではありません。

 

 私はこの話はどちらも「人物評価の思い込み」だと思っています。

 一つは「政治家は偉い」「社長だから優れている」といった社会的立場による思い込みです。しかし、そういう人が必ずしも人格が優れていて能力が高いとは限りません。

 もう一つは「成功しているから」「業績がいいから」「有名大学卒」など、過去の結果や実績に基づく思い込みです。ただ、これもその結果が得られた時の環境や難易度はわかりませんし、今も再び同じような結果が得られるのかはわかりません。

 性格や人格を優先すれば、別に成功者であることや実績は関係ありませんし、優しく謙虚な人を素晴らしいと思う人もいれば、強くたくましい人を高く評価する人もいるでしょう。

 

 こういう話が一番多いのは企業での採用面接です。ほとんどの場合は実際の仕事ぶりを見る前段階で合否を決めなければなりませんから、様々な属性データと面接時の印象をもとに人物評価をおこないます。そんな中には数々の固定観念や思い込みがあります。

 「この学歴なら優秀だ」「成績が良いから頭も良い」「この企業で部長を務めたなら仕事ができる」など、当たっている場合もそうでない場合もありますが、その点を評価されて入社した人が期待を裏切る例は、本当に数えきれないほどあります。

 

 新聞報道での職業が「無職」は確実に印象が悪いですが、この「無職」の中には様々な人が混在しています。一生懸命仕事を探している人も、ずっと働いてきて一時的に休んでいる人も、何らかの事情で働けない人もいるはずですが、「無職」の一言で区切られてしまうと、悪い印象の思い込みでしか見られなくなってしまいます。

 「人物評価の思い込み」は多くの人に何らかの経験があるはずで、もちろん私自身もそうです。それが正しいことはありますが、正しくないことも数多くあります。

 属性などによる思い込みにとらわれず、できるだけその人の本質に注目した人物評価ができるように努めていく必要があります。

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