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使う「言葉」を変えると組織風土も変わる

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み

 福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督が、選手への禁止事項として決めた中にあった「禁止語ルール」が話題になったことがありました。

 行き過ぎた茶髪やひげなどの身なりや、試合中のガムやツバ吐きなどの不快に見える行動と合わせて、「できません」や「わかりません」といったネガティブな言葉も禁止だといいます。

 ちなみにファンの間で、特に「わかりません」の禁止が妥当なのかどうか、それに納得できなかったり、効果を疑問視したりする人がいたとのことでした。

  こういう言葉のとらえ方は人によって違いがありますし、チーム事情や監督の考えを確認できない中で、その良し悪しは何とも言えないところです。

 

 ただ、私の経験してきたことと共通するのは、組織、チームを束ねる中で、どんな場面でどんな言葉を使うかということは実はとても大事なことで、かなり気を遣っているということです。

 

 最近あった例ですが、役職呼称を「○○マネージャー」などと横文字表現をしていた会社が、「課長」「部長」などの一般的な呼称に変更したことがありました。

 「○○マネージャー」というと、どうしても現場に近いフラットな立場をイメージしてしまいがちで、その人たちの責任感が希薄になったり、リーダーシップが低下したりという様子が見え、あえて権威が強いイメージを持たせるために、「課長」「部長」と呼ぶことにしたのだそうです。

 

 また、私が以前紹介したことですが、自社の評価制度の呼び方として、「評価」「考課」「査定」の三通りの呼び方があります。

 言葉のニュアンスを調べたところでは、「評価」は広い意味でいろいろな物の価値判断をすること、「考課」は主に勤務成績上の“優劣”を決めること、「査定」は金額や合否など、もう少し白黒はっきり決めること、という感じでした。

 それぞれの会社ではそれほど意識していないことも多いですが、言葉が違えば厳密な意味は違い、それぞれの言葉の持つニュアンスが、実際の制度運用の中にも出てきます。

 

 社内で一般的に使っている言葉や何気なく使っている言葉は、実はその会社の組織やムードを象徴しています。よく使われる言葉が、そこに属する人たちの価値観を無意識のうちに表現しているのです。

 

 こんなことを逆手にとって、組織風土改革の一環として、 “日常使っている言葉を変える”というような方法をとることもあります。

 企業理念や社内制度での用語を変え、上司のスピーチや訓示などで使う言葉を変えます。

 もしも良くない雰囲気や好ましくない行動が見受けられたとしたら、その周辺で使われている言葉を見直してみることも効果があります。

 

 組織風土の中で、言葉の持つイメージが影響していることは、意外に多いはずです。

 


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