- 奈良 修次
- ナラ鍼灸院 院長
- 大阪府
- 鍼灸師 臨床検査技師
対象:体の不調・各部の痛み
- 奈良 修次
- (鍼灸師 臨床検査技師)
がんの増殖を抑えるために受けた抗がん剤が新たな不安をかかえることになるとは、抗がん剤の投与を受ける前に説明を受けてある程度は予期していたが、これほど痺れが辛く不安なものとは想像もつかなかったと嘆いておられませんか。
抗がん剤の投与の結果、がんが縮小したのは良かったが、しびれの副作用で今も困っている。
抗がん剤の投与を開始して間もなくしびれが現れ、ますますしびれが辛くなり、やむを得ず抗がん剤を中止した。
抗がん剤の投与も終了して今は血液検査、画像検査の異常も見つからず、再発していないが数ヵ月が立ってから手足のしびれと震えがひどくなり、辛いことから、病院で処方されたくすりや漢方薬を飲むがよくなるきざしが見えない。
この様な様ざまなケースのしびれをお聞きします。
抗がん剤の副作用での手足のしびれは、脳と皮フ、感覚器官、筋肉などと連絡している末梢神経の障害で起こると言われています。
末梢神経障害は抗がん剤の種類によって症状の出る早さやあらわ出る頻度が異なり、副作用の程度やあらわれる時期も個人差があります。抗がん剤によっては服用して3日目からしびれの前兆が現れるものもあるようです。
抗がん剤が末梢神経障害を起こす原因を簡単に説明
抗がん剤によって末梢神経障害による副作用(しびれや痛みや感覚障害)が発現します。末梢神経障害の原因として、神経軸索(神経細胞の興奮を伝導)の微小管の傷害や神経細胞の直接傷害などが関連しています。
一方、抗がん剤の標的として微小管があります。微小管は細胞骨格を形成する蛋白質であり、がん細胞が分裂して増殖するのに欠かせないものです。
その微小管が形成される過程を阻害すれば、がん細胞の分裂を防ぐことができるのですが、同じ仕組みの神経軸索の微小管も同時に阻害してしまうので末梢神経障害の原因になるのです。
しびれの発現
微小管は細胞骨格を形成する蛋白質であり、チューブリンというタンパク質が集まった長い直径ナノメートル単位の管状構造をもっています。つまり、しびれは神経軸索の微小管を構成するタンパク質が傷つけられることで発現するのです。
ヒートショックプロテイン(HSP)はからだを守るタンパク質
私たちのからだには傷ついたタンパク質(プロテイン)を修復するヒートショックプロテイン(HSP)があります。HSPは傷ついたタンパク質をリフォールディングと云って傷ついたタンパク質を元のタンパク質に戻したり、戻せない場合は細胞に悪い影響を与えないように分解したりする働きを担っています。
温熱治療でのしびれ改善の目安
温熱治療でのしびれの改善の目安としては1回目で40パーセント、2回目で60パーセント程度の改善が見られました。
抗がん剤の種類や投与期間や副作用の程度によって改善には個人差が生まれます。
筋ポンプ入浴でしびれ改善にチャレンジ
現状ではしびれの特効薬が存在しないことから、傷ついたタンパク質修を修復するHSPをいっぱい増やしてしびれの緩和にチャレンジしてみませんか。新しいしびれ改善の「筋ポンプ入浴」があります。
ナラ鍼灸院院長 奈良修次
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